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ルドゥーテの「バラ図譜」展 [展覧会/講演会他]

ようやく仕事が一段落したと思いきや、そういえばグループ展の作品をまだ全然描いていなかったことに気がつき慌てふためいている美鈴です。そんな大事なことを放置したまま、13・14日と外出していました。13日はヒエログリフ講座を申し込んでいたので(有料です。でもしっかり先生が教えてくださる講座で全5回、その第一回目でした)受講するべく都内へ。しかし、その講座は18時半からですので、その講座を受ける前にせっかくなので早めに出て久しぶりに上野に行って、国立科学博物館のシアター360を見る事にしました。国立科学博物館はリピーターズパスを持っているので、常設展およびシアター360は有効期間内ならいつも無料で見れるのです。というわけで、シアター360へ。今月は「マントルと地球の変動–驚異の地球内部–」 & 「海の食物連鎖–太陽からクロマグロをつなぐエネルギーの流れ–」。恐竜関係は来月でした。また行きたいと思います!

シアター360は上映時間が短いですので、それを見終わったあとはその他の展覧会のチラシを貰いに国立西洋美術館へ行きました。西洋美術館は、そこで開催されている展覧会を見なくてもミュージアムショップへの出入りが自由なのです。時間があるといつも覗いて行くのですが、今回何故かふと「ルドゥーテ関連の書籍って出ているのかな?」と気になりまして、ショップの書籍コーナーへ行きました。ボタニカルアートの本はいくつかあったのですが、ルドゥーテonlyの作品を扱った本はザラッと見た感じでは見つけられず、まだ講座まで時間があるので大きな書店に行こうかなと思ったのでした。なんで急にルドゥーテの本が欲しくなったのかという理由はわからないのですが、以前から気にはなっている画家さんではありましたので…。思い立ったが吉日ではありませんが、早速本屋さんに移動しようとした時です。そういえば、すっかり忘れていましたが他の展覧会のチラシを貰うためにここに来たのでしたw 散らし置き場にいきチラシを見ていたその時です。…あったのですよ、ルドゥーテの展覧会のチラシが…しかもすぐ近くの上野の森美術館で開催中。ここに行けばルドゥーテの画集らしきものもおいてあるでしょうし、本屋さんに行かなくてもいいよねって事で展覧会に向かおうと思ったのですが、時すでに遅し。閉館5分前でしたので諦めました。日を改めて…と思ったのですが、何と会期は6月25日まで。急がないと終ってしまいます。とりあえず仕事が忙しくなる前に行こうと誓い、上野をあとにしました。

このあと携帯電話の修理を巡って色々とありまして、修理しても機種変しても結構な値段がかかることから、キャリアを変える事になりました。その手続きのために、実は14日も都内に出る事になりましたのでルドゥーテ展は携帯電話のキャリア換えの手続きの前による事にしました。

14日、展覧会会場にたどり着いたのは12時半くらい。チケットを購入したところ、13時から展覧会会場内でルドゥーテ展とのコラボでチェンバロの演奏があるということでご案内いただきました。演奏まで30分あるので、それまではルドゥーテの作品を見ていく事に。私、ルドゥーテに関しては「素晴らしい植物の絵を描く宮廷画家」ということしか知りませんで、展覧会などで展示されている作品は全て水彩か何かで描かれているものだと思っていました。色も美しいですし、描写も細かいですので。しかし…絵ではなく銅版画でした…!これ、版画?!版画というと個人的に葛飾北斎のあの浮世絵が頭をふとよぎるのですが、何となくそういうイメージで育ってきているせいもあってこのルドゥーテの展覧会の前節で銅版画と言う文字を見たときには体に電気が走りました…。衝撃でしたよ、本当に。近くで見ても「これは水彩画ですよ」と言われても全然疑う余地のないくらいの精密画。これが版画…信じられない!なんと言うか、いつも思うのですが、職人さんの腕の凄さには頭が下がりっぱなしです。

さて、銅版画と言うことで非常に驚きながらも順番に作品を見て行きました。途中で、一人の職人さんの手によるものではなく、作品ごとに彫り師さんが違うことに気がつきました。沢山のバラ作品、一点につきおそらく一人の彫り師さんがついているようで。微妙にタッチが違うことに気がついたのは、全作品数の半分くらい?を見たあとでした。ふと、葉の輪郭がくっきり描かれている作品が目に付くようになりまして。それで良く見たら、彫り師さんの名前が違っていたと言う。葉の輪郭線がくっきり縁取りされている作品にはシャピュイという名前が記されていました。正確に数えたわけではないのですが、恐らくバラ図譜には10人くらいの彫り師さんがそれぞれかかわっているような感じに見えました。個人的に好きな彫り師さんはラングロワ。線も色の濃淡もバランスが良くて好みです。葉の立体感や質感が伝わってきそうで。シャピュイは葉の輪郭線がはっきりしすぎているので、何となく立体感がそがれているように感じました。でも、シャピュイの作品は面白いことに図録などの印刷物で見るとあまり上気した感じがでていなくて、むしろ綺麗かもと思えるほどでした。作品を縮小して掲載した時に輪郭線がはっきりしている分、綺麗に見えるのがシャピュイかなと思いますが、どうでしょうか。いずれにせよ、どの彫り師さんも技術が凄いです。ルドゥーテの水彩画?を元に彫っていくのだと思いますが…点描で表現しているところなどもあって「凄い」と言う言葉しか出てきません。もっと表現力のある言葉で説明したいのですが、残念ながらそういった表現は私は苦手なようです。

今回の展覧会の作品を通して色々なバラを知る事になりましたが、その中でも「ロサ・ガリカ・アガタ・プロリフェラ」という品種に驚きました。花の中から葉がでていて、運がよければその葉にまた花がつくようです。なんかちょっとグロテスクな風に見えてしまうのは私だけでしょうか。でも、そんな種類のバラもあるのだなぁと初めて知って嬉しかったりしています。お気に入りは「ロサ・ガリカ・ウェルシコル」。バラなのですが、どことなく赤と白の斑の入った椿にも見えて、日本人な私は何だか親近感を覚えました。これは実際に咲いているのを見てみたいですねー。

この展覧会でバラの花を見ていると、時折ふと思うのですが、これとこれ、どこが違うのだろうかという事。構図が違うので違う品種にも見えるのですが、同じ角度で描いたら見分けがつかないのではなないだろうかというバラもあったりしました。でも良く見るとちょっと違う。ルドゥーテが宮廷画家として抱えられたのは、そういった少しの違いも描き分けられる腕前があったからなのかもしれないなと思ったりしました。でも描き分けも凄いですが、やはり絵(銅版画ですが)にしても花のみずみずしさが伝わってくるというのは素晴らしい事なのではないかなと思います。それから、バラを描くためにわざわざ切って目の前に置いて描いているんだなぁというのが伺えるのがとても面白いです。絵にした時のバランスを考えて剪定してあるのが見受けられるからです。実際目の前に置いて描いているのかどうかは私には分かりませんが、ただ色々なバラを精密に描き分けるだけではなくて、絵にした時のバランスまで考慮されて描かれているのに感動しました。絵描きとしてはジャンルが全然違いますが、姿勢は本当に見習わなければと思います。

というわけで、あれこれとみているうちにチェンバロのお時間がやってきました。ステージ付近に行くとチェンバロが置いてあったのですが、そのチェンバロの美しいこと。ピアノの近い形でしょうか。鍵盤は2段になっているのでエレクトーンの方が近い感じ?楽器そのものにルドゥーテの絵が描かれていて素敵でした。これ、演奏会が終って、チェンバロを作られた工房の方が来ていらしたのでお伺いしてみたのですが、ルドゥーテの花の絵は職人さんの手描きだそうです。凄い…。チェンバロの音は何に例えたらいい感じでしょうか。と悩んでみた挙句、出てきたのはディズニーランドのエレクトリカルパレードの時に流れる音楽の音…なのですがタイトルがわからず。何かこうピアノの音に金属の音が加わったような音…で何となく雰囲気が伝わるでしょうか…。パイプオルガンとはまたちょっと違う音。でも、多分音を聞くと「あ、聞いたことある」と思うと思います。なまで聞く機会はあまりないと思いますが、テレビなどではたまにそれらしい音流れていませんか?なんというか貴族などが栄えた時代の西洋の特集番組(ハプスブルグ、ベルサイユとかその辺)みたいなものにはたまに流れるかも??

チェンバロの演奏に話を戻しますが、今回の演奏はルドゥーテの生きた時代の音楽を演奏しているようでした。音楽関連は疎いので曲名などを聞いてもピンと来ない残念な私ですが、でも、その時代の雰囲気などは伝わってきたと思います。何よりも音と曲がマッチしてて素敵でした。私が行ったのは平日でしたが、休日の演奏会ですと、これに歌?がついたようです。聞きたかったですねー。

というわけで、演奏を楽しんでいましたがあっという間に終了してしまいましたので(15分くらいでした)ルドゥーテの残りの作品を見ていく事にしました。しかし凄いですよね、バラの絵だけで展覧会が出来てしまうほどの作品数…。バラ図譜だけで画集のようなものが3冊ほど出ていました。一冊14700円とお高かったので庶民の私には手が出ませんでしたが、その代わり、今回の展覧会の図録は購入してきました!展覧会で展示してあった作品がけっこう大きめに載っているのでとても見ごたえがありました。お値段もこれくらいだと購入できますので嬉しい限りです。下の画像が購入してきた図録など。
bara.jpg

今回チラシのデザインも凄く好みで、思わず何枚か頂いてきてしまいました。なんでしょう、ピンク色を使っているけど嫌じゃないというか、持っていても照れくさくないと言うか。こういうセンスも養いたいですね。そんなことを思いながら今日も図録をパラリとめくって「綺麗だなぁ」とため息をこぼしております。私、植物のあの柔らかさというかみずみずしさというかを描くのが非常に苦手ですので、ルドゥーテの作品は憧れてしまいます。これを模写したら、多少は描ける様になるものなのかしら…。

そんなこんなで、ルドゥーテのバラ図譜展のレポートでした。いつか14700円の画集のうちの一冊でも買いたいものです。それから、伊藤若冲の4万円の画集や、カイロ博物館の2万円ほどの書籍とか。しっかりした本が個人的には一冊欲しいのです。とりあえず、一番の目標はカイロ博物館の本でしょうか。

カイロ博物館 古代エジプトの秘宝

カイロ博物館 古代エジプトの秘宝

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: ニュートンプレス
  • 発売日: 2000/10
  • メディア: 単行本


いつか買おうと思っていますが、すでに新品を購入するのは難しいようなので迷っています。中古では痛んでいると思うので安くてもなぁと思いますし、綺麗なものにはプレミアがついているようで倍くらいの値段しますしね。レビューを読むとカイロでは5千円くらいで購入できる本らしいというのに笑いましたが。まぁ、いずれいい機会がありましたら購入しようと思います。さぁ、7月は大英博物館のエジプト展と8月にはツタンカーメン展が控えています。仕事頑張って時間とって見に行きたいと思います!

■関連リンク
ルドゥーテバラ図譜展→ http://www.eventsankei.jp/redoute_rose/
(この展覧会は6月25日で終了しております)
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