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中近東文化センター [展覧会/講演会他]

だいぶ前から行ってみたいと思っていた、中近東文化センター。こちらのセンターの存在を知った時は、まだ予約なしでも見る事ができていた様な気がするのですが…いつの間にか予約制になってまして…電話が非常に苦手なので…こう…行けずじまいでした。年に3回ほど、予約なしで見る事ができる期間というのがあるらしく(例年ですと4・8・10月頃のようです)、いい感じに仕事の隙間ができた時にたまたま知る事ができたので4月4日に行ってまいりました。ちなみに、2017年の今回の予約なしでも館内の見学ができる期間は4月8日まで。昨年薨去された三笠宮様の名前の付いている図書館が2階にあります。

というわけで?、早速(前から行きたいと思っていたので、そうでもないですがw)行ってまいりました「中近東文化センター附属博物館」。入場料は千円で、受付で入場料を支払った所、施設のリーフレットと素敵な栞を頂きました。
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ヒエログリフのアルファベット表記が掲載されている小さい栞。ローマ字表記が世の中ではもてはやされていますが(私も名前がかけるというローマ字表記のヒエログリフの豆本を作ったほどですw)こちらのアルファベット表記を覚えた方が実は早いのですよねw もちろんヒエログリフはこんなに少ないわけではなくて文字の種類はもっともっと沢山あるのですが、この栞に掲載されている文字は比較的見る機会も多いのではと思います。栞はもう一枚、保存版が欲しいなぁ…と思うので、次に行く機会があればまた入場料を払ってもらってこようと目論んでおります。ただ、展示替えはなさそうな気配なので(確認していませんのでわかりませんが)2度3度見るのはどうなんだろう…。

展示内容は中近東の物がメインで、古代エジプトのものもありますがイランなどそちら方面の展示が多いのかなと感じました。レプリカですが、ロゼッタストーンも見る事ができます。古代エジプト関連では彩色木棺?の蓋がとても素晴らしかったです!あと、比較的新しい年代のものですが、モザイクガラスの切片が綺麗でした。小さいのですけどガラスでアヌビスの模様が描かれていたりするのですよ。かわいい。あと、勇気がなくて(誰も触った形跡がなくて)やれなかったのですが、古代エジプトで使われていたであろう道具で(もちろんレプリカですが)小麦を手で挽く体験コーナーもあります。おそらく置かれている大きな石にまたがって凹んでいる所に小麦を入れて、ちょっと大きめの石ですりつぶす感じじゃないかなぁ…と思われます。個人的には、ファイアンスという陶器の事を古代エジプト語では「チェヘネト」と言って「輝くもの」という意味を持っていたという事を知る事ができたのは嬉しかったですね。それから、古代エジプト関連の本にたまに出てくる「エンマー小麦」。実はその小麦の前に「アイン小麦」というのがあって、種の少ないアイン小麦からエンマー小麦に取って代わったような感じなのかなという事も知りました。ただアイン小麦を品種改良してエンマー小麦が出来たのか、全く別の品種なのかは…メモに書いてきておらず今頃大後悔w 徹夜で好きなものを見に行ってはいけない…記憶が悲しいくらいに飛んでいる所があって辛いです><

それから、三笠宮様が使われていたらしいヘブライ語のうてるタイプライターも展示してありました。これがまたかっこいいんだ…。あと、宮様直筆の年表とかね、綺麗に書かれていてびっくりしましたよ。出版物も展示だけで中身は見れませんでしたが(図書館で見れるのかしら?)読んでみたいなぁと、ちょっと。

一通り展示を見たあとは図書館に行きたいとずっと思っていたので、受付で聞いてみました。図書館にも利用料(300円)が発生するのですが、ものっそい貸切(図書館の方に伺ったところ、利用者がかち合う事はまずないとの事でしたw)で何時間も利用できるのは大変良いですね!静かだし、最高でした。おそらく中近東に特化した図書館だと思いますが、時間がそんなになかったので古代エジプト関連の本だけ見る事に。や、これがね、本当にすごいのです!今まで見てきた図書館の中で(国会図書館や大学の図書館など、大きな図書館にはまだ行った事がないのであれですがw)古代エジプト関連の蔵書が一番多かったです。3〜4m幅(多分それくらいはあったと思う)で、リーフレットの写真で確認しましたが5段ある本段の2列と3分の1が古代エジプト関連の本でした。感動で打ち震えてしまいましたよ!!惜しむらくは洋書が多いので(あと比較的近年に出た日本語の古代エジプト関連の書籍は見かけなかった気がします)英語が読めない私には内容を理解するのは不可能なのですが、大きな写真がいっぱい掲載されている本もたくさんあってですね!ツタンカーメンだけでも目から鱗が出るくらい素敵な本が色々とありましたので、一部ですがコピーを取らせていただきました。大きな図版最高かよ!!探せば、同じ遺物でも別アングルが出てくるので、さらに感動。住みたい…!!

ちなみに、コピーはサイズに関係なくモノクロ20円、カラー80円です。カラーの図版は色々とコピーをさせて頂きました。もう少し時間があれば、もっと色々と見る事ができたと思うのですが…。閉館間際(17時)までいて、最後の最後で分厚い「エジプトの秘宝」的な大きな本を見つけたのですが、そのシリーズの本、ツタンカーメンだけで2冊もあるのですよー!真っ先に見るべきでした…。中身の確認もできないままなのは辛い…それを見にまた行こうと思います!!!

個人的にとても気になった本は

トゥトアンクアモン (1966年)

トゥトアンクアモン (1966年)

  • 作者: Ch.デローシュ=ノーブルクール
  • 出版社/メーカー: みすず書房
  • 発売日: 1966
  • メディア: -


古い本なのですが、ざっくりと中を眺めてみて面白そうだなと思いました。どこからどこまでが本当に遺物から判明したことなのかは謎ですが、ツタンカーメンが幼少期はこんな生活をしていたのではないかとか、アマルナ神殿のモノクロ図版、アマルナ王家の系譜なども載ってます(ただし、資料的には古いと思いますがw)。それから、その時代に登場する主な人物の紹介なども一覧で出ていて、創作TUT9(仮)を書くにあたり参考になりそうでしたので余計に欲しいと…。この図書館は貸し出しは一切していないので、残念ながら時間内に読む事は困難でしたので、どうしても知りたいと思ったところをざっくり探してコピーさせて頂きました。ただ、アマゾンに古本が出ている事を今知ったので(笑)買ってしまおうかなとも。今、このブログを書きながら購入に揺れておりますw 積んでる本がいっぱいあるのに!!!でも、本がなくなる前に買いたい!!

あと気になった本といえば、上の本よりもさらに古そうな死者の書の本でしょうか。
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旧仮名遣いとか、物凄い難しい漢字のオンパレードでしたが、とても趣があって素晴らしいと思いました。内表紙は文字以外の飾り系は朱色。それだけでもかっこいい。中身を確認していないので正確なところはわかりませんが、おそらく上下巻で古代エジプトの「死者の書」を章ごとにすべて網羅しているのではないかなと思います。ちなみにハードカバー。今度行くときは知りたい章をメモして、そこだけコピーを取らせて頂こうかなと思っています。もう本当に今すぐにでも飛んでいきたい!!!この本、非常に読みにくいしわかりにくいのだけど、そのまま再販してくれないかな…旧仮名遣いがかっこいいよ…いやもう、本当に。

ただ古い本が多い感じなので、王様の名前なども色々な読み方があってその辺は少し困惑しました。アメンヘテプがアメノフィスだったりするので…。ツタンカーメンもトゥタンカモンと書かれていたりしてビックリしました。その読みは初めて知ったわ…。昔からツタンカーメンと誤読していたわけではなかったのですね(正式名はトゥト・アンク・アメン)。今はツタンカーメン表記が徹底している感じですが、これを考えると表記統一がなされたのはいつからなのだろうかと少し気になりました。

洋書でまるで中身はわかりませんでしたが、アマルナレポートというタイトルの本もありまして。超読みたかった…ああ…。図版があればそこだけコピーさせて頂こうかな…あるのかな…。なんというか、英語が読めないことをこれほど呪ったことが未だかつてあっただろうかw 悔しい。ヒエログリフよりも英語を勉強すべきなんじゃないかね私は…。そんなことを思いつつ、次回また行くことをかたく決意しつつ退館いたしました。図書館だけも3時間くらいはいたのではないかな…今度行くときは開館時間に行って閉館時間に帰るよ(大迷惑)!ただ、ご飯が食べられそうなところが近くになさそうな気配ですので(調べてないので知らないだけで実はあるのかもしれませんが)図書館の扉をでたところにあるロビー?で飲食はしてもいいのかしら…と、ふと。この辺、もし電話予約していくことになりそうでしたら聞いてみようかなと思います。舌がもつれて言葉が出てこなかったら電話で聞くのは諦めますけど(苦笑)。

中近東文化センターの受付の方も図書館の方も皆さんとてもいい方ばかりで、帰り際に少しお話をさせて頂いたのですが、苦手な電話予約を克服してまた来てくださいねと言われましたw や、利用者が少なくて無くなってしまうことがないように、できる限り行きたいなぁとは思いました。図書館に次に行くときは、もう少し的を絞っていかないとダメですね。何を知りたいのか、必要な資料を探すために英語力も少しいるかな。Tutankhamun(ツタンカーメン)やBook of the Dead(死者の書)、Pyramid(ピラミッド)、Ramesses(ラメセス)、あとは綴りを忘れましたがアマルナは雰囲気でわかったので、ちょこちょこ中身を見る事ができましたけど他は壊滅でしたしね…。英語の辞書を持って行こうかしら…。

かなり古代エジプト充をした事もあり、色々やる気も出てきましたので仕事も趣味も頑張ります。でも近いうちに…図書館には暑くなる前に一度、電話予約の苦行を乗り越えていきたい感じではありますね。そうなると、創作ツタンカーメンの内容をもう少し詰めないといけません。図書館には日本語の本は少ないですが、それでもその辺の図書館よりも多いと思うので(多分)知りたいところをピンポイントで探さないと、見きれない…。特に遺物の図版は非常に必要になると思われるので、設定なども詰めていかないといけないなと。資料が存在するのであれば、ツタンカーメン王墓内の鮮明で大きな図版も欲しい所です。もっというと、アマルナ宮殿やその周辺などの風景の想像図みたいなのが欲しい感じ。ああ、1日じゃ足りない!!絶対足りない!!住みたい!!落ち着け。

というわけで?一人で勝手に盛り上がってしまいましたが、中近東文化センターと三笠宮記念図書館のレポートでした!

◆関連リンク
中近東文化センター → http://www.meccj.or.jp
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上手に焼けました〜! [展覧会/講演会他]

今月9日に池袋の古代オリエント博物館さんで募集されていたイベントに参加してきました。その名も「世界に一つだけの土偶を作ろう!」。名前に通り、土偶を作るという企画です。とはいえ、土偶でなくても自由に作って下さって構いませんと先生がおっしゃっていましたので、参加者の方は実に色々と作っていらっしゃいました。妖怪ウォッチのコマさんを作っている男の子もいましたが、とても上手でした!あれ、焼き上がったらどんな風になっていたんだろう。ちょっと他の方の作品の出来上がりが個人的に気になる今日この頃です。

さて、そんな中私は土偶ではなく埴輪の馬を作りました。何のひねりもなく、焼き物と言えば作りたいと思っていたモチーフです。ただ、ちょっと足を長くするのが困難で…ミニチュアダックスのような雰囲気になってしまいましたが(笑)、馬です馬!9日は粘土で形を作るだけで、あとは先生が乾燥させてから焼いてくれるという事で当日はお持ち帰り出来なかったのですが、昨日、焼き上がったものが届きまして!!それが下の画像になります。
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何だか足が短いと…こう…不思議な生き物みたいですが、これが思いのほか好評で、お友達からも可愛いと褒められ嬉しかったです(実は想定外でしたよ)。しかも母が凄く気に入りましてw 焼き上がった色が素焼きの植木鉢に似ているので庭のテーブルの上の小さな植木鉢と一緒にちょこんと置こうかなと思っていたら「そんなの勿体ないから居間に飾る」と言い出しまして。久し振りに何か、母が喜んだ顔が見れたので安心したりもしました。来年も何か作りに行こうかな…。ちなみに、焼き上がった馬を見て母が「今度はお母さん、シーサーが欲しい」と言われたのですが…馬とシーサーが結びつかないw どこから来た…シーサー。

焼き物ですと焼く窯がないと無理ですが、幸い母が石粉粘土で良く人形を作っています。もうかれこれ30年くらい作っている人なのですが…シーサーは自分で作ればいいのではと若干思いつつw 紙媒体よりもこういう立体ものの方が欲しい方が多いのかなというのもちょっと実感したりしています。フィギュア等精密なものは出来ませんが、今回の埴輪の馬のように一品ものでゆるい感じの粘土細工もいいなと…やりたい事がどんどこ増える私でした。幸いにも石粉粘土は沢山家にあるし…w いやいや、いかん、これ以上やる事を増やしては何も出来ずにパーンしてしまう>< とりあえず、絵の方を進めねば。その絵の方ですが、現在色々とエジプト関連のものでお手伝いとか、自作のTシャツを試作しているところです。試作Tシャツの方はどこまで細かい模様が出るのかを検証するべく、実は既に発注済みでございます。来週には届くのではないでしょうか。もうだいぶ前…エジプトにはまり始めた時に作りたいと思っていたデザインが実はあるので、今回の試作で細かい模様等が大丈夫そうでしたら黒一色(あるいは白一色)でどどんと描いてみたいシリーズがあります。試作次第ですが、その時は告知しようと思っていますので、うまく描けるように祈っていて下さい…。描きたいと思っていても技術が足りなくて描けない事の方が多いので…その時は販売までいかないかもしれないのですよね…。

ちなみに試作品のデザインですが、下の画像のような感じです。
アヌビス見本.jpg

画像だと見にくいかもしれませんが、色塗りの際に特殊ブラシを使っているので偶然出来上がってしまった模様がとにかく細かいのです。これがどこまで出るのかで、今後のデザイン作りも変ってくるかもしれませんね。とはいえ、物凄い精密画を描くわけではないので、線画のみのデザインでしたらさほど気にしなくてもいいのかなとは思いますが。エジプト関連でお手伝いさせて頂いているものも、情報解禁になりましたらお知らせ致します。まだ納品もしてないので、何も告知が出来ないのですよw そちらに関しましてはしばらくお待ち下さい。ちなみに試作で作っているTシャツも、需要があるかは分かりませんが出来上がりを見て綺麗に印刷が出ていましたら販売しようとは思っています。あとちょっとしたヒエログリフTシャツも考えていますので…季節外れになりそうですが、もし販売されましたら宜しくお願いいたいます。

また、遅くなってしまいましたが、豆本やポストカード等ご購入下さった皆さん有り難うございます!ペースは遅いですが、少しづつでも売れていくのが分かるのはとても嬉しいです(*^v^*)。今後も色々とちょっとしたものを作っていく所存ですので、Booth等もチェック頂ければと思います。web拍手の方も有り難うございます!お返事後ほどさせて頂きますね!いつも元気を本当に有り難うございます!剥離骨折の薬指も現在リハビリ中でございます。まだ完全に曲げたり伸ばしたりは出来ないのですが、だいぶ良くなってきました。ではまた!

■関連リンク
古代オリエント博物館 → http://aom-tokyo.com
美鈴のBooth → 販売ページはこちら
Tシャツ販売ページはまた後ほど…商品が出来次第告知致します。
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第13回 「植物観察と植物画を描く」公開講座 [展覧会/講演会他]

8月24日。晴れ。

この日は、以前より申し込みをしていた「植物画講座」に行って参りました。普通の講座ですと何回も通わないとならないものが多い中、何と一回だけの珍しい講座でした。会場は、筑波実験植物園。植物画に関しましては、実は苦手という事もあってなかなか本腰を入れて描いた事がなく、でも、お友達で凄く上手な方の作品を拝見したり、好きな植物もあるので興味はあったのです。ただ、ハードルが高そうな事、アナログだと既に画材がないという事もあって、いつも指をくわえて心で泣きながら講座の案内などをネットで見ていた感じで。そんな時に見つけたのが今回参加させて頂いた講座でした。

まぁ一回だけの講座なので、初めて参加していきなり凄い絵が描けるようになるのかと問われれば、それは「NO」な訳ですが、参加されていた方の作品をこっそり(笑)拝見しながら、色のまぜ方、構図の取り方、鉛筆の線の描き方、あとはこんな道具が必要という事など、色々な事を先生に教えて頂いて分かりました。あと、絵を描く講座に入る前の植物に関する基礎知識や、実際に栽培をされている爽やか男性職員さんのお話はとても面白かったです。

植物のお話では、百合の花のお話がかなり衝撃でした。あの美しい大きな花びら、3枚は花びらなんだそうですが、もう3枚は同じ色と形をしたガクなのだそうです。あと、写真で初めてキャベツの花を拝見する事が出来ました。その映像を映しながら植物園の方がおっしゃっていました。

「野菜は食べ物ではあるのですが、植物です」と。

どうも…私もそうですが普通の人は野菜は食べ物という認識が強いようで。なので筑波実験植物園では「野菜は植物」という事を強調するべく、ゴーヤは種が取れるようになるまで、キャベツや大根は花が咲くまで見れるように展示されている様です。確かに私のキャベツのイメージはあの食べる時のまるくなった緑の葉っぱまで…。大根は以前お花を見た事があるのですが、今回植物園の方が見せて下さった物凄い勢いで盛大に咲いている姿は始めてみましたw や、凄い迫力でしたよ!また、ゴーヤも種が出来る頃には黄色くなるのを知りました。あと、タンポポの種と思っていたものが実は果実だったとか。この講座に行かなかったら知らなかった事が沢山で、貴重なお話に聞き入ってしまいました。参加して良かった!

というわけで一時間ほどで講座に関わっている皆さんのご紹介や、上記しましたような植物のお話が終了。ここから絵を描く講座にうつっていきます。まずは、モチーフになるお花の選択から。今回はラン科の貴重な植物がモチーフとして選べるようになっていました。さすが植物園、面白い花、滅多に見れない花(沢庵の匂いがする花とかw)、美しい花など盛りだくさん。ただし、絵を描く紙が白い事を考え、個人的に白い花は難しいと判断してモチーフから真っ先に除外。パッと見た時に美しいと思ったこの花をチョイス致しました。

花の名前は、ハベナリア・ロドケイラ。呪文のように呟く事2日くらいでようやく名前を覚えましたw
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白い花をモチーフから外したまでは良かったのですが、つい綺麗な色にひかれて選んでしまった事を彩色段階で後悔する事になろうとは…この段階では思いもしなかったでしょう…。モチーフを選んだあとは先生が線を描く上での注意事項などを一通りお話しして下さり、その後すぐにスケッチにかかりました。とても久しぶりでしたよ…アナログで漫画でない絵を描くのは。しかし、やはりこの状態から苦手意識はついてまわりました。花の形がうまくとれない、一定の方向は描けても、他の方向からだと描きにくい、目で見ている通りにスケッチ出来ない(イラストレーターとして大問題)、花びらや葉っぱがよじれていると更にどう描いていいのか分からない、正面に向いている葉や花が難しい…。こうなった時に真っ先に後悔したことは「花の数が多い」という事でした。同じ花があっち向いたりこっち向いたりしているので描く時に大きさが変わるんですよね…。あと、お花を描いていくうちにサイズがドンドン大きくなっていく。だれか、この現象に名前を…。

そんな事をしているうちにアッという間に一時間…そして昼食。園内にはレストランがありませんので、あらかじめ買っておいたコンビニおにぎりをバクバク食べました。おにぎりは飲みものではありませんw 何かそれぐらいの勢いで食べてました。何故かというと、時間が惜しいからです。正直、11時から一時間昼食を挟んで15時半くらいまでしか作業時間がないのですよ。あと昼食後に今度は彩色の講義が入ります。マジで終わらないw まぁ、仕事ではないので途中でもいいという事でしたが、ある程度は完成させたいじゃないですか…本物が目の前にあるうちに。というわけで、ひたすらスケッチ。彩色の講義の段階ではまだスケッチが終わっていませんでしたが、それでも何とかその後、少し描いて彩色にうつれたのは良かったと思います。…正確性には欠けますが…。

ちなみに、私が彩色に使うために新しく購入した透明水彩はこれでした。

サクラクレパス 透明水彩12色 ラミネートチューブ入り(5ml)

サクラクレパス 透明水彩12色 ラミネートチューブ入り(5ml)

  • 出版社/メーカー: サクラクレパス
  • メディア: オフィス用品


この商品を購入した時は「画材が良くても腕がダメだとお金かけても勿体ないし…」という事で、お安いものをチョイスしました。あとは慣れていくうちに腕でカバー出来ればいいのかなと。でも、この考えが実際塗ってみるとそうもいかなそうな気配。まずどうしても色が足らない事に気づかされます。モチーフに選びました「ハベナリア」、上の画像ではとても綺麗なオレンジ色ですが、実際に見るとほんの少しピンク色が混ざっているような色でした。とりあえず、オレンジ色を作って、そのあと白と赤でピンク(ただし、白をまぜると不透明度が上がってしまう…)、あるいは赤を物凄く薄く水でといたピンクを先に作ったオレンジとまぜるという方法を考えました。しかし、まず、絵の具の赤とレモンイエローをまぜても綺麗なオレンジにならないのです。くすんだオレンジ色…。仕方がないのでなるべく薄く薄くなるように赤を水でといたりして透明感が出ないか試したのですが…なかなか思った色になってくれません。練習用に自分で所持していたBBケントを持参していたので(今回の講座で使用した紙と偶然一緒でした)、そこに色を作っては試しに紙の上に塗って色を見るという作業をしてみたものの…どうもうまくいかない。やっぱり初心者にはそれ相応のいい画材がないとダメなのかなぁ…最初から腕でカバーするのは無理でした>< 画材選びが甘かったですね…。ただ、腕が上がれば使う事も出来ると思いますので、今回購入した画材はきちんととっておこうと思います。画材のせいではなく自分の腕が未熟なせいですから、画材にケチつけるのはお門違い。

さて、色は結局自分の絵の具では作る事が出来ず、お隣の方から「オペラ」と「レモンイエロー」を、植物画家の先生から素敵な緑色を4種類ほどパレットに少し分けて頂いたりしました。また、その頂いた絵の具を元にオレンジ色は先生にある程度作って頂きました。その節は本当に有り難うございます!おかげさまで最初の色よりもだいぶ綺麗に塗れたのではないかと思います。ただ、沢山のお花を描いてしまったため時間配分がどうしても難しく、結局一通り色をおき終わった頃には講座の終了時間になっておりました。葉の色などは軽く色をつけるだけになってしまい似ても似つかない色のままになっておりますが、せっかく描きましたので…作品をここで公開しておこうと思います。
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スキャンすると物凄くアラが見えるので、遠くからデジカメで撮影したものになります。スミマセン。スキャン画像をそのまま公開する事は私には出来ませんでした…。やー何かもう…イラストレーターの描く絵なのかという感じで…公開するまで非常に悩みました。完成出来なかった事もそうですが、何一つ満足に自分の力では描けなかった事に対する自責の念と言うか、何というか。正直もう少しマシに描けるだろうと思っていたので…あ”ーもう!!!!という感じです。講義の最後に一人一人の作品に先生方がコメントを下さるのですが、何かもうそれでさえも申し分けない感じで…心が折れてました…。苦手だったからしょうがないとか、そういうのが一番嫌いな言い訳なので…もっとうまくなりたいなと思いました。でも、植物画は本業ではないので、力を入れるべき事が他にもある事を考えると、なかなかかけられる時間は沢山はない…。しかし、そういう言い訳も逃げているようで嫌…。

色々な思いが交錯する中で、講義も終わり帰宅する準備をしていました。笑いながら話していても、心の中では複雑な気持ち。そんな時に、私の目の前のハベナリアの鉢が元あった所に戻されようとしていました。栽培していた男性職員さんが私が絵を描いていた机の所にやってきたのです。「可愛いお花だったなぁ。綺麗に描けなくて悔しい思いが一杯だけど、一日ありがとう」なんて心で思っていた所、その職員さんが何を思ったのかハベナリアの茎をポキッと折って差し出して下さいました。や、正直その方が茎を折った瞬間

「ぎゃーーーーーー!それ貴重な花じゃないんかーい!!!!」

と、心の中で絶叫したのですが…大丈夫だったんですかね…折って客にあげてしまって…。そんな心配をしつつも、しかし、それがなんだか凄く嬉しかったんですよね。帰ったあとに今回の作品を仕上げる気力がなかったので…でもきっと、上手く描けなくても一生懸命描いていた事がその職員さんには伝わったのかなぁ…なんて勝手な解釈を元に、この花を無事家に持ち帰る事が出来たなら(ちなみに茨城→埼玉…)、今度はこの頂いた花を描こうという気持ちになりました。お兄さん有り難う!というわけで、そこからどうやって持って帰るかという難題が私の前に立ちはだかりました。何せそんな準備も予想もしていませんでしたから。幸い、筆を洗う容器にしようとお豆腐の正方形のプラスチックケースを持っていっていました。それから、筆の水分を調整するのに手ぬぐいを使う事にしていたので、水を含んだものを持って帰ってこれるようにシール式の蓋つきのビニール袋を持ってきておりました。あとはティッシュに大量の水を含ませて茎の折り口に巻き付け、豆腐ケースにin!更にそれを蓋つきのビニールにinしてカルトンケースへ。途中GAZIOというカフェバーで夕飯を食べていこうと考えていたので、ティッシュに含ませるお水はこぼれない程度に多めに。

ゆっくり夕飯をと思ったのですが、何だかそのカフェバーではその日は大人数の予約が入っていたみたいで、余りの人数に急いでご飯を食べて出てきてしまいました…。だって人待ってたし…予約の人は全然出る気配なかったし…。でもきっとそれは、お花のためにも早く帰れという神様の思し召し…と思って、その後はどこにも寄らずに帰る事にしました。電車を降りる先々で化粧室に飛び込んだ以外はw 小さな切り花でしたので…どう扱っていいのか勝手が分からず。お水が漏れないように蓋をしていた関係で、酸素大丈夫かなーとか、お水ってどれくらいでなくなっちゃうんだろうとか心配で心配で。化粧室に駆け込んではビニール袋をあけたり、お水の確認をしたり。そのかいあって、お花が元気なまま家に持って帰ってくる事が出来ました!ヨカッター!!多分、男性職員さんが折って下さったのは、上の作品の左側の2輪の花がついている茎だったのではないでしょうか。豆腐のケースにちょこんと入っている姿を帰宅後に見てホッとしました。こんなにお花を持って帰ってくる事に一生懸命になったのは初めてです。

というわけで、さすがに帰ってきた日はクタクタでしたので、その日は早々に就寝。次の日から頂いた花をデジタルで描く事にしました。小さな花ですから多分そんなに長い時間もたないと思いましたので、色が豊富にあって、ある程度使い慣れているツールの方がいいだろうと判断したためです。…とはいえクリスタは購入してからそんなに時間が経っておりませんので余り使った事がないという状態で…しかし、使えるようにならないといけませんでしたのでこちらのツールの勉強も兼ねて頑張ってみました。時間が惜しいので早速描画開始!今回はとりあえず、何となくの構造が分かるように描ければいいかなという事で、実寸で描いておりません。あと花は一輪にしぼって描く事にしました。ザクザクと線画を描いてその上にだいたいの色をのせて、線画レイヤーを消して綺麗に輪郭などを整えながら彩色。そんな事をしている間にも、何だかお花の元気が少しづつなくなってきているのが分かりました。そのせいもあって若干見え方が変わってきたので全体的な形の修正をかけてみたのですが、頑張っても修正が間に合わない。見え方の変化はもうこの際諦めて、一番最初の見え方から若干修正をかけて色をのせていく事にしました。時間との戦い。下の画像は描画過程の一部をまとめたものです。
ハベナリア制作過程.jpg

何というか塗っているうちにドンドン色が濃くなっていくのが分かります>< これはどうしてかというと、恐らく陰影をつけないとどこがどうなっているのか分かりにくいという事で色をのせすぎた結果だと思います。色的には画像中央あたりの段階にピンクを少しのせた感じが良かったのかなぁと…今頃w このあと色々と加筆していったのですが、その間にもみるみるお花の元気がなくなっていきます。見た事もないお花でしたから、どう扱っていいのか分からなかったのも要因だと思います。湿気が多い方がいいのか、温度は高い方がいいのか、風通しがいい方がいいのか…本当はお花を長くもたせる事が出来る液体?みたいなのが家にあれば良かったのですが、それもない家なのでなす術もなく。少しお花がションボリしてきた段階でなんか可哀相になってしまって…モチーフという任をといた次第です。パソコンの近くとか、お花にはやっぱり辛かったんだろうか…。

その後はお花を別の部屋に移して様子を見ながら、絵を描きました。納得のいく完成…とまではいかなかったですが、でも頑張って描きました。
ハベナリア完成.jpg

右は主線なしの仕上がりバージョンで、左側は線をあとから付けたバージョンです(クリックで拡大)。何故あとから線を付けたかというと、右の作品を見て頂ければ分かると思いますがどこがどうなっているのか分かりにくかったためです。また、宮廷植物画家ルドゥーテの展覧会の図録のバラの絵をよくよく見ると(版画でなく原画の方)線画が残っているものもあったので、あった方がより絵に見えると思いましてつけたしました。本当は線ではなく色と影でメリハリを持たせるのがいいとは思うのですが、それが出来なかったので…。

もっとじっくり向き合ってみたかったですね。写真も撮ってあるのでそれを見て描くのもいいのでしょうが、今回はとにかくナマで見れるうちに、その時間内できちんと描いてあげたかったので若干急ぎ足になりました。でも、こんなに一つのお花に時間をかけて描いた事はなかったと思います。凄く細部まで見たのもきっと初めて。ハベナリアは私の一番最初の植物画のモチーフ。いつかもっと上手くなった時にもっと綺麗に描いてみたいなと思いました。そうなるには、まだまだ先は長そうですが><

描き始めて3日目の今日(27日)、2輪のうちの1輪がしおれてしまいました。こういう場合、しおれたものをずっとつけておくともう1輪もダメになるのが早いのかと思いまして、断腸の思いでしおれた1輪を折りました。もう1輪は少ししおれてきましたが、あした朝くらいまでは持つといいなと思います。ここまで描けたのもお花とお花を下さった男性職員さんと先生方、講座に携わられた職員の皆様のおかげです。有り難うございます。またいつか、時間とお金の両方の都合がついた時に講義の方に参加出来たらいいなと考えております。公開講座は年に一度やっている様ですので…!私の場合、大概「お金があっても時間がない」か「時間があってもお金がない」と両極端なので、今回のように参加出来るケースは稀だったりします。でも、時間もお金も頑張れば作れるものなので、あとは体力を何とかしてまた参加出来たらと思いました。最初の作品が出来た時は正直心が折れましたが、小さな花を頂いて、それを家に持ち帰って…まだまだ精進しなくてはいけませんが、それでもそのお花を一生懸命見て描いた事で今は少し折れた心も自己修復出来た感じです。明日から仕事を再開するのでちょっと植物画からは離れてしまいますが、素敵な思い出ができた事でまた頑張れそうです。

ここ数日、予定外の所で頑張ってしまいましたので、他の趣味の方がおろそかになってしまいましたが、そちらも少しづつ頑張っていこうと思っています。豆本の方も、もう少ししたら進捗がお伝え出来るかなと思います。サイトの更新はしばらくお待ち下さい。拍手も本当に有り難うございます!これからも頑張りますよ!!!というわけで、今回はこの辺で。
タグ:植物画
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川合玉堂展内覧会 [展覧会/講演会他]

内覧会…やっぱり良いですよね…!

百聞は一見に如かず…ではありませんが、絵画や美術品の展覧会のレポートを書くのに、作品の画像が一枚もない記事で何が伝わるのだろうかという事にいつも頭を抱えていました。文才があればそれなりに伝えられるのでしょうが、それでも作品を見たほうが感動や素晴らしさは伝わると思うのです。しかし、現在の美術館や博物館ではほとんど一般入場者に撮影の許可を出していません。まぁ、色々な人が大勢詰めかけるので作品にもしもの事があっては一大事なのと、作品の著作権などもあると思うので仕方がないと言えばそうなのでしょうが…ならば、美術館側で使用してもいい展示品の画像などをサイトなどで公開しておいて頂けると非常に嬉しいのですが、やっている所はほとんどありません。とはいえ、私のような一般人ですと、なかなか内覧会の情報がつかめない。知った時には内覧会の募集が終わっていたりと不運続きでした。

そんな中、数年ぶりに運が巡ってきたのか行ってみたいなぁと思っていた「川合玉堂展」の内覧会情報をキャッチ。生誕100年 東山魁夷展以来の内覧会情報に心躍りました。というわけで、ネット上で応募。今回の内覧会は一部作品をのぞいて写真撮影が可能。また入場料の割引と、和菓子が食べられる特典付きでした!加えて、館長さんのギャラリートークと、人気のブロガーさん(内覧会共催のTakさん)のお話なども聞けて内容盛りだくさん!久しぶりの楽しい絵画鑑賞でした。や、貴婦人と一角獣展も素敵でしたし、他にも実は色々と展覧会には行っているのですが…上記の通り作品の画像がない物に対してあれが素敵これが凄いと言っても伝わらないし、どうも書いてて辛くなってしまうのでブログで公開出来るような記事は書けませんでした…。

さて、どうでもいい前置きが長くなってしまいましたが!行って参りました、内・覧・会!
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もっと内覧会情報のアンテナをのばしつつ、今回の玉堂展内覧会についてのお話をしたいと思います。写真付きで感想が書けるこの喜び!!素敵な企画を有難うございます!今回の企画の詳細はこちら。(イベントは終了しております)。詳細にも書かれておりますが、玉堂展の作品とのコラボ和菓子というのがあります。その辺は後ほど、和菓子製作の裏話などもお聞きできたので写真と共に触れたいと思います。

また、この展覧会は川合玉堂氏生誕140年記念に開催され、山種美術館所蔵の玉堂作品を前・後期展示に分けて71点全点展示するようです。冊子の形態をとっている都合上どうしても限られたページしか見る事が出来ない写生帖なども、全部ではありませんが前期後期で違うページを見る事が出来るそう。玉堂氏の作品を一度に沢山見る事が出来る数少ない展覧会ですのでお見逃しなく!

・川合玉堂 生誕140年記念特別展
・2013年6月8日~8月4日(後期:7月9日~)
・山種美術館

というわけで、何となくの展覧会概要等もだいたい書かせていただいたところで内覧会のお話に戻ります。
今回の内覧会、何が嬉しいって館長さんのギャラリートーク付きだったという事。図録や展示物の近くに添えてある解説などでも作品は楽しめると思いますが、やはりそれ以外のちょっとしたお話はより一層作品鑑賞を楽しいものにすると私は思っています。今回、川合玉堂展を開催している山種美術館・初代館長の山崎種二氏が玉堂氏と親しかったという事で、普段は伺うことの出来ないお話なども現・館長さんのトークの中に入っておりました。例えば、床の間に玉堂氏の絵が飾ってあったとか。これは絵画を所蔵している方であったりすれば普通のことなのかもしれませんが、そういうのに程遠い私からすれば「床の間に!!凄い!」と思うわけです。我が家にも床の間はありますが、仏壇等があるだけで絵などは一切飾っておりませんしねw

折角館長さんからそんなお話を伺ったので、では自分がもし、玉堂氏の作品を自由に扱うことが出来て、床の間に飾る事が許されるのならどの作品がいいかなと言う事を考えてみました。床の間に飾ることが前提ですので、展覧会で軸装されている作品の中から選んでみたいと思います。ちなみに写真ですが、内覧会参加者のみ撮影・掲載許可がおりております。普段の展覧会時は撮影はできませんのでご注意下さい。また、このブログに掲載されている写真は私が撮影したものなのですが、館内の照明が若干落とされておりました関係で私の腕ではなかなか綺麗に撮影できませんでした。若干色味などの補正は行っておりますが、きちんとした色ではありませんので実物を見て頂ければ幸いです。どの作品もとても綺麗ですので!

話がそれましたが、そんなわけで床の間に飾りたい作品を選抜!1点に絞るのが大変でしたが…個人的な好みの傾向としてがっつりと細かに描かれた作品が好きなのと、やはり展覧会のときに一番最初に目に飛び込んできた作品という事で「鵜飼」がいいと思いました!
鵜飼.jpg

ちなみにこの作品、玉堂氏が21歳くらいの時に描かれたものだそうです…。色々な努力の末、ここまで描ける様になったのだと思いますが…私が21歳の時はどんな作品を描いていたかなぁと思うとちょっと自分にガッカリもしたり。それはさておき!床の間に飾りたいと思うこの「鵜飼」ですが、写真では非常にわかりづらくて恐縮ですが、とにかく緻密に描かれております。生い茂る木々の葉は、部分によっては黒で一回奥の葉が描かれてそこに重なるように緑の葉が描かれていました。そして険しい断崖絶壁。ゴツゴツと描かれた筆のラインが岩の険しさを更に強調しているようでした。作品の下の方では鵜飼という漁法で人々が漁をしています。水の流れと篝火の描写もまた美しいです。

しかし!実は私の家に鵜飼を飾るには作品が立派すぎてかなり部屋の方が負けてしまいそうなので…もう少しほんわりとした雰囲気のものがいいのかなぁと思いました。玉堂氏の作品はのどかなものも多数ありますので、優しいオーラを放つ作品を選ぶとしたら…「山雨一過」でしょうか。
山雨一過.jpg

実は雰囲気的には「二日月」という作品が好みなのですが、爽快感などがあったほうが部屋になじみやすいのかなぁとか、奥行きのある作品は部屋を広く見せるのではないかと思い「山雨一過」をチョイス。雨が通り過ぎたあと、峠をこえる馬と人。馬の蹄の音が聞こえてきそうです。と、文章で書いてもちょっと上の画像では小さくてわかりにくいと思いまして接写を頑張ってみました!自由に撮影が出来る内覧会ならではの画像です。と、思ったのですが図録には「山雨一過」の拡大版が載ってましたw
山雨アップ.jpg

それにしても馬の鞍?の上の黄色っぽい布の中には一体何が入っているのでしょうね。よく見ると人も何か背負っています。薪とかなんでしょうか。馬の方はその割りには何となく丸っぽい形状の物が入っているようにも見て取れるので、気になります。人の方は何も入ってなさそう?どこかで商売をした帰り道なのでしょうかね?ちなみにこの作品を選んだ一つの理由として馬があげられます。馬が好きなので!しかも、このお尻から後ろ足のラインが大好きです。スタイルいいですよねー!

というわけで、床の間に飾れるのでしたら「山雨一過」という事で。本当に飾れたらいいのですが無理ですので、拙者も絵描きのはしくれ…いつか自分で飾れる絵を描きたいと思います…。

ここまでは軸装されている作品を見てきたのですが、今度はもう少し広い視野で見て玉堂氏の作品全部の中から印象に残ったものを少しご紹介させていただきます。印象といっても色々とあると思いますが、衝撃という印象を受けた作品といえば「悠紀地方風俗屏風 小下図」(2枚組みのうちの一枚だけで申し訳ありませんが下の画像がその作品です)。
悠紀小下図.jpg

小下図というのはこんな感じ( http://zokeifile.musabi.ac.jp/document.php?search_key=%8F%AC%89%BA%90%7D )の下絵の段階を指すようです。今でいう所のラフみたいな感じでしょうか?屏風に描く前にデザインを練る過程のようです。しかし、この段階で相当綿密にデザインが練られているのがわかりますよね。色まで塗られていて!小下図なのにこの完成度に驚きました。そして、本当に衝撃的でしたのはここです↓
悠紀小下図自転車.jpg

小さいのでよく見えないと思いますが小下図で言うと架かっている橋の右の隅。何となくこう…作品の雰囲気からするとおおよそ描かれていなそうなものが描かれていて、かなりビックリしました!館長さんのトークで語られなければ気がつかなかったかもしれません。でも、面白いというか。この自転車を見ると、ああ江戸時代ではなくて自転車があるくらい新しい時代の方が描かれたのだなぁと描かれた時代を感じました。この他にも時代を感じさせる作品が「氷上」。アイススケートの選手が描かれているのですが、それがとても可愛らしい!この作品はじかに展覧会でご覧下さいね(*^v^*)。

それから、白い屋根がとても素敵な風景画が心に残りました「湖畔暮雪」。
kohan.jpg

他にも屋根に雪が有る作品はあるのですが、シン…という静けさが伝わってくるようで好きなのです。右上の方にある構図の空間がそう思わせるのか、寒々しい空気感さえ伝わってくるようです。あと、館長さんのお話も印象に残っているからなのかも。この作品、白い屋根の部分に白い絵の具などは塗ってないそうなのです。玉堂氏は絹に絵を描いているので、この白い部分は絹そのもの。そういう下の素材も生かされて描かれた作品なんだと、基本的に白い部分も白く塗りたくなる私は妙に感動したりしました。家屋を構成している線もかすれていて、またそれがこう…屋根なら雪が積もっている感じ、家の壁なら壁がざらついている感じが出ていていいなぁと思いました。

あと写生帖ですかね!これはどれも美しくて印象に残ります。特に好きなのは下の3つの画像の作品。あまり厚い紙に描かれていなそうな気配ので(特に一番下のお花の絵が描かれたもの)勿体無いと思う程の完成度に衝撃を受けました。
shasei1.jpg

shasei2.jpg

shasei3.jpg

これ、沢山描かれているので全部見てみたかったですね。特に花の写生は透けて見えているだけでもかなりの数がありそうで。というか、こういう花図鑑のようなものがあったら欲しいなと思いました。だって、とても優しい感じのお花の絵なのですもの。写真メインの今の図鑑よりもずっといいと思いました。

と、ここまで色々と書いたらやはり、玉堂氏の作品の中で一番好きなのはどの作品かという事を聞かれなくても書くべき!と思いました。しかし、どれも素敵なので一つに絞るのが難しいのですよね…。圧倒的な書き込みの「鵜飼」、雰囲気で選ぶなら「二日月」、ほんわりとした作品で選ぶのなら「山雨一過」や展覧会のチラシなどにも使われている「早乙女」。写生帖も色々と描かれていてとても素敵でした。でも、沢山の素晴らしい作品の中で一番心を引かれたのは「虎」という作品。
虎.jpg

若干天地左右が切れてしまっていますが、右前脚は斜め下に伸ばしている感じです。獲物を狙っているのでしょうか。今にも飛び掛りそうな、そんな感じが伝わってきます。もっと凝った…手間のかかっている作品は沢山あるというのに、玉堂さんスミマセン。ですが、これが私の一番好きな作品です。何でしょうね、墨の濃淡で表現されている体のラインというか…一番墨の濃い部分の筋肉が凄く緊張しているように見えるというか…静止しているのだけど今にも動き出しそうな感じがして。特に後ろ足の濃い部分、グッと足に力が入っているように見えませんか?白虎は、西方を守護する四神の一つ。図録には「出征の際に知人のみならず面識のない人でも頼まれれば誰にでも、無事帰還を祈念して虎の絵を描き贈った」と言うような事が書かれていました。この虎を見ていると、描き贈られた人の危機を(敵を)虎が飛び掛って倒していたのかなぁと想像したりもして、とても心強い気持ちになってきます。人の無事を祈る玉堂氏の優しさを垣間見る事ができる作品でもあるのかなと、そういうのもあって図録の解説と共に好きになりました。素敵ですね!こちらの作品、第2展示室という所に展示されています。少しわかりにくい所にある展示室なのでお見逃しのないように。

実はここで白状しますと、玉堂氏の事は、気になる画家さんではありましたが内覧会に参加するまでは実は名前しか知りませんでした。日本の画家で名前を知っているのは本当に一握りの方だけで…。葛飾北斎、安藤広重、円山応挙など有名な方…少し現代ですと東山魁夷。特に好きなのは伊藤若冲。その疎い私が何故「玉堂」という名前を知っていたのか今でも謎なのですが、過去に何か作品を見て覚えたことだけは確かです。でないと名前すら覚えないはずなので(残念な脳みそ…)。しかし、その作品が何であったのかは思い出せないのですが…今回の内覧会で好きな画家さんになった事だけは確かです。こうしてブログに記事を書くのに図録や撮影した写真を何度も見たりして、見るたびに新しい発見があって楽しい。なかなかこういう出会いの機会は少ないと思うのです。美術を知る・見るという事は私にとってはハードルが高いと思う時が結構あって。その時に余りにも近寄りがたいと、そのまま通り過ぎる事しか出来なくて。ですが、この内覧会は立ち止まる事を許してくれたイベントでした。有難うございます。

というわけで、まだまだ写真も沢山あるのですが、一枚一枚ご紹介していると大変な量になってしまいますので個人的に好きなものを部分的にピックアップしていきたいと思います。きっと沢山の綺麗な写真は他のブロガーさんが上げてくださるに違いないと信じて、私は我が道をいこうと思います…。

玉堂氏の作品は風景画が多いのですが、その風景の中に小さく人が描かれている事が多々あります。まぁ、風景画に小さく人を配するのは珍しいことではないのでしょうけれど、何というか、どの人物にも物語があるように見えて、とても素敵だなと思っています。図録などでは作品全体を見る事が出来るのですが、出来ればこの内覧会でしか撮影できないであろう接写画像などをご紹介していきたいと思います。接写する事によって見えてくるしぐさなどから、風景の中の人物たちが紡ぐ物語を垣間見る事が出来ましたら頑張って撮影したかいがあったというもの!ちなみにどの作品にどの人物が描かれているのかは記載しません。これから展覧会に行かれる方は、もし気になる人物がいたら探してみてください。この記事の上の方でご紹介いたしました「悠紀地方風俗屏風 小下図」の自転車も是非その目で!ちなみに下でご紹介している人物の画像は小さく描かれているものをなるべく取り上げております。全部ではなくて恐縮ですが、その辺はご了承くださいませ。
クローズアップ1.jpg

この画像の一番上の馬の描写がとても好きです。最小限のラインで馬が米俵を積んでいるのがわかります。それから一番下の左、女性が下駄はいてて可愛いです。
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一番下の画像。筆で横にぴゅーっと若干強弱をつけた線を引くだけで船に見えるという事を知った作品でした。なるほど…。左上の画像の稲穂を担いだりしている人たちも「よっこらしょ!」とか声が聞こえてきそうです。
クローズアップ3.jpg

特に好きな小さな人物画はこのお二人。
クローズアップ.jpg

なんというか、籠の中の重さが伝わってきそうな…前傾の歩み。特に右側の人は重そうです。そして何よりも線で描かれた人物や籠のラインが凄いなと思ったのです。特に籠は簡略化されていても一目でなんであるのかわかりますしね。あと、線のところだけを見て、もしかしたら古代の人はこういう風に描いた線から楔文字やヒエログリフなどの象形文字などを作っていったのかなぁ…なんてあまり関係ないことを妄想してしまう始末。玉堂氏、もしかして遠い祖先は古代で文字を考えていたりして。…と、だいぶお話が脱線してしまいましたが、アナログで小さく人物を描くときはあまり描き込みが出来ないので、どう線を描くのか、どこに色をのせるのかで結構雰囲気が変わってしまうように思います。玉堂氏の作品の小さく描かれた人物はどの人物もちょっとした線や色で描かれているにも関わらず、何をしているのかがわかるという事は凄いなと思いました。そしてどことなく可愛らしい。

この他にも、まだ様々な作品がありますが、個人的に気になりましたのは上記のような感じになります。写生帖の作品は上でも少しご紹介しましたが、他にもお孫さんの似顔絵もとても可愛らしかったり色々と見る事が出来ます。こういう写生の積み重ねが素晴らしい作品を生み出しているのでしょうね。それ以外に可愛らしくて好きなのはこのワンちゃんたち。
wan.jpg

ワンちゃんのほんわりとした表情がなんとも言えず大好きです。一番右の子が特に!また、金地に描かれた紅白梅などの屏風絵も見事ですよ!

写真などを撮影したり、作品を色々と拝見しているうちに時間はあっという間に経ってしまいました。和菓子の引き換えチケットを貰っておりましたので、美術館内にあるカフェへ。和菓子は全部で5種類あるのは美術館に入った所に見本が展示してあったので知ってはいたのですが、小さな白ウサギがのったお菓子が凄く可愛らしくて食べるのでしたらそれがいいと思っていました!種類によって個数に限りがあるとお聞きしていたので早速引き換えました。ちなみに5種類の和菓子は下の画像になります。
okasi.jpg

私が頂いたのは「しろうさぎ」というお菓子です↓。
sirousagi.jpg

第2展示室にありました「兔」をモチーフにしたお菓子になります。ちょこんとのったしろうさぎと可愛らしく丸くデザイン化された松?の葉。金柑風味で甘みもすっきりとしていて美味しかったです。山種美術館さんでは、老舗菓匠「菊屋」さんに特別にオーダーして、展覧会の作品とコラボレーションさせた特別な和菓子を美術館内のカフェで提供しているようです。この和菓子も試行錯誤されているようで、裏話もとても興味深いものでした。笑う所ではないのでしょうが、商品化されなかった和菓子は何となく納得がいったような。ちなみに下の画像左の和菓子が商品化されなかったものの一つ。
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左側のお菓子、上にのっているのは蛍をイメージしたもの(色がちょっと残念な感じになっていますが、蛍の体部分は小豆を使用、本来の色は茶色です)。たしかに、このお菓子の元になった「ふき」という作品には蛍が描かれています。でも、この画像を拝見した瞬間、心の中で「ちょw蛍ぇーwwこれはww」と思わず叫んでしまいましたw 赤い部分は頭なのでしょうね…しかしなんかこう他のものに見えてしまったりもして>< そして商品化されたものは蛍ではなくみずみずしい雫がついていました。あーやっぱりこれだ!これですよね!この清々しさ、美しさ、素晴らしい。私は虫は昆虫であれば(多足はダメ)大丈夫なのですが、こういうのを食べるのは主に女性だと思いますので、虫は苦手な方も多いのだろうなぁと思います。となると例え蛍がかわいくなったとしても、雫の方がオーダーはしやすいですよね。裏話を聞きながらなるほどと思いました。色々な試作を経て出来上がってくる綺麗なお菓子。有り難く美味しく頂きました!でもまだ4種類食べてないのですよね…テイクアウトして来ればよかったとブログを書きながら思うのでした。残念…。

ちなみに8月10日からの「速水御舟」展でも新作のお菓子が登場するそうです!ずっと和菓子化されなかった「炎舞」のお菓子も食べる事が出来るようになるそうなので、デザインが気になるので行って食べてみたいかも…って、お菓子が目当てかよ!と怒られてしまいそうですが、もちろん炎舞の本物が見てみたいので!そちらも楽しみにしつつ!

さて、和菓子の裏話を聞き、お菓子も食べ終わったところで少し時間がありましたので電池が許す限り作品撮影と作品観覧!最後の最後で勇気を振り絞って館長さんから名刺を頂いてきました。配っているのを見ていたので…。最初は私なんかが頂いても一枚勿体無いしなんて思っていたのですが…気になる事があったのでつい…。あと、やっぱり普通に展覧会に行ってもお会いできないので記念にと思って…。何とか口から心臓が出そうになるのをグッと押さえ?ながら無事に名刺を頂きまして、丁度内覧会終了の時間にもなりましたので帰路につく事に。しかし、入り口に行っても自動ドアが開かずw セキュリティーの関係で開かなくなってしまったようなので、数人まとまって裏口から出ました。これも普通では体験出来ない思い出になりました。

内覧会、とても楽しかったです。ゆっくり見れるというのは本当に素敵だなぁと思いますし、ギャラリートークも凄く楽しかったですし!館長さんは女性の方でしたがとてもお綺麗な方で感動!また、和菓子の裏話や展覧会の見所などのお話を聞かせて下さったTakさんもとても気さくそうな方で、お話を聞きながら笑ったり頷いたり。こういうイベントを企画準備されるのは本当に大変かと思いますが、また何か企画して下さったら嬉しいなぁと思います。この度は本当に楽しい内覧会を有り難うございました!しっかりした言葉できちんと要点を伝えるようなレポートが書けなくて恐縮ですが、楽しかった事が伝われば幸いです。では!

■関連リンク
・山種美術館公式サイト→ http://www.yamatane-museum.jp
・内覧会共催「青い日記帳」Takさんのブログ
 → http://bluediary2.jugem.jp
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高尾山~トリックアート美術館 [展覧会/講演会他]

しばらくの間、時間が出来そうなので色々と健康に関しましては治療…とまでは言わないまでも、調子が良いわけではないので、自分なりに健康について気をつけたり努力をしてみようと思いまして、4月16日に再び高尾登山に行って参りました。今回は前回の初登山で使用したリフトやケーブルカーは使わず、徒歩で薬王院まで行こうと決意、実行しました。前回の高尾登山は昨年10月29日あたりだったかと思います。右腕を壊してしまいまして、連載も他の案件も全てお休みせざるをえない状態になり、する事がなくて…苦笑。丁度その時に神社やお寺の御朱印の文字の美しさに触れて、お寺さんなら御朱印もあるかもという事で高尾山薬王院を目指すこととなりました。あと、調べていたら精進料理が気になりまして。平日は予約なしで食べられるとの事で、どんな感じなのかなと思い登山をする事になったのでした。他にも自分の事について振り返ったりこの先のことを考える必要があったので…というのもありましたが。

さて、今回の登山ですが。前回はリフトを使って途中まで行き、薬王院まで歩いて、到着してからお参り→御朱印と精進料理を頂きまして、そこから徒歩で頂上まで行きました。初めてなので大丈夫かなぁと心配していたのですが、高尾山はどちらかというと初心者に優しいらしく、何箇所か辛い所はありましたが無事に頂上まで行けました。そのイメージが頭にあった為、きっとケーブルカーやリフトを使わなくても薬王院まではそんなに苦しまずに登れそうと考えていました。

しかし!!!

あそこにケーブルカーやリフトがあるのには意味があったのですよ。…ないと難易度が凄く上がりますw 登山慣れしてないのでそう思ったのかもしれませんが、物凄く登るのが大変でした。最初は緩やかな上り坂が続くのですが(これも運動不足の私にはきつかった><)、ある程度登ると、そこから傾斜が急になって、その状態がずっと続きます。ベンチがあるのは最初と最後の方だけでw、最後はありがたかったですけど、最初の方のベンチを設置するくらいなら、途中の折り返し地点の何箇所かに休憩所が欲しいと思いました(わがままw)。とにかく、休む場所がないので登るしかなく…しかも急な坂道をずっとずっと登っていくので息も上がるし膝も笑う。小さな…携帯できる椅子などを持っていくと良かったのかなぁ。やっとの思いで辿りついたリフト乗り場のベンチに座ったらしばらく動けませんでした。次は無理するのやめようw

そんなわけで行きは大変だったわけですが、精進料理も食べたいので膝が大爆笑の中、また歩き始めました。薬王院にたどり着き、食事の手続きをしてまったりとご飯が来るのを待ちます。あたたかいお茶が(セルフサービス)身にしみるほど美味しかった…。少し時間を置いて、精進料理が運ばれてきました。もちろん、前回の精進料理もそうですが、これをお坊さんたちが食べているわけではなく、観光客用にカスタマイズされたものだそうで。なんというか日本料理は美しいなといつも思うのです。下の画像が今回のお料理でございました!
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そば御膳…だったかしら…。この御膳は平成25年3月25日(月)~平成25年4月26日(金)と平成25年5月7日(火)~平成25年8月30日(金)の平日限定(土・日・祝日を除く)だそうです。ちなみにゴールデンウィーク限定御膳もありまして…それも気にはなっているのですが、今年は食べに行くことは出来なさそうです。4月に行ったばかりですしね>< 高尾山は東京都といってもうち(埼玉)からだと遠いので…交通費とか大変で>< 次に行く時は違う御膳が食べられたらいいなと思います。今回も天麩羅とか美味しかったです!そばも良かった!

御朱印は前回頂いたので、今回はお参りだけしてきました。あと「高尾山健康登山の証」に判子を押してもらって!やっと2つ目。頑張ってこの手帳を全部埋めたいです。判子21個で満了なので…まだまだ先は長いですが気長に頑張りたいと思います。期限はないので、焦らずマイペースにじっくりと末永く登れたらいいなぁ。そんな事を考えています。というわけで、最初からそのつもりではおりましたが、上りがきつかったので頂上は目指さずにジリジリ歩いて下山する事にしました。このあとトリックアート美術館にも行く予定でしたので、少し早めの下山。帰り道に、おばさんに教えていただいた天狗焼きを食べようと思っていたので、売り場を探す。あ、ちなみに高尾山ですが、ゆるいコースを歩くとお店が色々とあるのでダイエットには向いてませんw 天狗焼きのお店もケーブルカー乗り場のすぐそばにありました。精進料理を食べた後だというのに困った事に別腹は作動します。お店で一つオーダーして記念写真を撮りました。
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あんこが上品な甘さで食べやすいです。あと私が大好きな黒豆のあんこですので…正直もう一つくらいは食べられたと思いますが、食べすぎは良くないので次回の楽しみに…。冷凍のものも売っていたので、次回はそれをお土産に買って帰りたいですねー!!母上に食べさせてあげたい。

というわけで、下山です。膝の方はだいぶ回復したので、下山もリフトは使わずに行こうと思いました。でも、途中でやっぱりやめておけばよかったと後悔しきり…。知ってはいたんですよね…下りの方がきついという事をw 膝もそうですが股関節に響く感じで、坂が急なので踏ん張りきかずにガクッといったら転がり必須な感じでした…。現に途中で老夫婦の奥様の方が動けなくなっていました…あの後どうされたのかなぁ…。という人の心配はあとで出来た感じなのです。実際は、次は我が身な感じでしたので…T_T 足が痛いのを何とかごまかしつつ、下山完了。この後のトリックアート美術館は回れる自信が本気でなかったので悩んだのですが…凄く見たかったので頑張ってしまいましたw 高尾山口駅の目の前にその美術館はあります。
看板.jpg

美術館の敷地に入ると何故こんな所に水場がw…というところに蛇口があるのですが、そこで靴の底を洗えという事のようでした。トリックアートが床にもあるのでその保護のためのようです。たわしみたいなのが近くにありましたのでそれで靴底を洗いまして、入り口方面へ。余りにも疲れていたので、美術館入り口を背にしてテラスのような所に行きました。少し休憩…。そこにはテーブルと椅子、飲み物の自販機がありまして、休憩しながら絵に描かれた古代エジプトのファラオの彫像を見る事が出来ます。駅から見えるのがこの彫像の絵。トリックアート美術館の看板から、この彫像も絵なのだろうなぁとは思っていましたが…凄いなぁと。とはいえ、美術館の中ではもっと感心してしまうアートが一杯なのですけれどね!

というわけで、休みもそこそこにして美術館へ。ネット割引の特典があるようでしたので、公式サイトで割引券をプリントアウトして持ってきていたのです。フフ。そうそう、入場料ですが!実は館内を見る為はもちろんですが、見終えたあとに自販機でジュースが買えるコインもついてのお値段でした♪ 初めてだ…そんな美術館。ありがたいですね!チケットを持って入り口へ向かうと、係りのお姉さんが案内をしてくれます。最初だけガイド付な美術館。主にトリックアートの見方や館内の部屋の仕掛けなどについてガイドしてくださいます。そんなわけで、ようやく美術館に入場です。前振り長い…>< 入場しますと、そのフロアにある色々なトリックアートが目に入ってきます。ガイドさんにそくされて一番最初に見るアートは、向かって右側の古代エジプトの女神のアートになります。鳥じゃないほうです。
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よく見ると絵だと分かるのですが、パッと見凄い立体感もあって、おおお!となりました。館内、ちょっとした仕掛けもある関係からあまりネタバレしないようにこの記事は書いていこうと思っていますので細かい所は書きませんが、入場時にもらえる片目を隠すアイテムで片目を隠してみたりすると、更に立体的に見えるようです。この女神像のアートの前ともう一つ牛(古代エジプトのハトホル神)のアートがあるのですが、それを見ながらトリックアートの見方を教わりまして、いざ館内を一人で探検する旅に出かける事になります。旅というほど大げさではありませんがw ちなみにこの美術館、触ったりする事も、写真撮影をする事も基本自由です。ネタで色々と面白い写真が撮れそうですので、もしこれから行かれるという方は二人以上が推奨かもしれません。一応近くにスタッフさんがいる場合は撮影していただく事も出来るみたいですが、私は勇気が出なくて出来ませんでした>< 号泣。

私が入館した時はもう二人ほど女子学生のような子達が一緒でしたので、騒がしいのを避けるために、仕掛けの部屋に行くまでの通路で他のアートをじっくり堪能する事にしました。上の画像の向かって左側、ホルスのアートも通路で見かける事ができる作品の一つです。折角なのでアップで写真を撮ってみました。
ホルスアップ.jpg

結構近くで見ると絵なのかなーとは思います。全体的に思ったのは、アートを自分の眼で見るよりは何箇所か設置してある小窓からみたり、カメラのファインダー越しに見るほうがより立体的に見えるのではないかなという事ですか。でも、どれもやっぱり凄いですよ。ライトの当たり方も関係があるのか分かりませんが、異様な黄金らしさが伝わってくるというか。いいですね…本物は手に入らないので…せめてこういったアートのある部屋に住みたいですw ツタンカーメンの黄金のマスクもありましたし、個人的には自室の壁に描いてもらえるならそちらがいいなぁ。でも壁に施すなら壁画がいいのかも!この辺の画像から通路と仕掛け部屋のアートが混ざってしまっていますがご了承下さい。個人的にお気に入りの壁画作品はこれです↓ ちなみに画像内に枠線を引いてみました。枠外も絵ですが枠線内も絵ですので!絵ですので!!(大事なので2回いいました)
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この画像の上の壁画…いいですよね…!これが部屋の壁紙だったら結構広く見えていいのかなと思いましたw ただ、基本的にお墓の壁画なので、暗いしちょっとこう陰鬱な感じもしないでもないのですが…好き(*ノノ)。この美術館に来て思ったのは、このアート技術でツタンカーメン王の王墓のレプリカを「日本に」作って欲しいなという事でした。エジプトではすでにやっているみたいですけれどね…ツタンカーメン王墓、そのうち非公開になるそうなので…。ただ、わざわざレプリカを見にエジプトまで行くのもなぁと思い、日本に作らないかなぁと。ついでにツタンカーメンの黄金のマスクももっと現物そっくりなレプリカ作って欲しいです。国立科学博物館に展示してくれたら、リピーターズパスを持っているので上野に行くたびに見に行きますよ!誰か!!←人任せ。

話がそれましたが、トリックアートの方に戻します。壁画の奥行きも凄いのですが、彫像の立体感も凄くて。その中でも好きな作品を2点ご紹介させていただきます。下の画像がそれ。
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画像の下の作品が特にお気に入りです。ちなみに下の画像、植物の部分は絵ではありませんでした。こういう絵を描くときのコツは、もしかして明るい色の彫像の後はなるべく暗くするとかなのですかねぇ。影の入れ方は重要だというのは館内の作品を見て良く分かりました。これなんか↓影の大事さがとても顕著に出ていると思います。
鯨.jpg

確かこれ、額縁も絵だったのではなかったかと。水のない水族館という名前のついたフロアだった気がします。凄いですねー。これが平面の絵だというのはこうして写真見る限りだと分かりません。この鯨の前で家族連れが写真を撮っていたのでチョコッと後からデジカメのファインダーを覗いてみたのですが、飛び出している鯨の両脇にお子さんと奥様が写るようにしておられて、またそれが結構いい感じになっていたので面白かったです。鯨の飛び出し感が一番凄かったのではないかなと思いますが、個人的には下の画像の魚がさりげなくて好きでした♪ アロワナ?

ちなみに、入場した階のフロアは古代エジプト関連の作品がほとんどで、他の階は魚だったり普通の動物のトリックアートが多かったです。リアル絵の勉強にはなったのかも。それともこういうアートは、リアル絵では使わない技法なども盛り込んだりするものなのでしょうか?展示されているトリックアートを見るのだけでもとても勉強になるのですが、更に一歩踏み込みたい私としては実際に描いたり修復したりしている所も見てみたいなぁと思いました。…それにしてもこの作品たちは画材何を使っているのでしょうね…触ったりできる事も考えると耐久性も上げないといけないですよね…となると、ペンキ??

ひとしきり作品を堪能した所で、出口へ。美術館を出るときにスタッフさんが「コインでジュースを飲めますので、よろしければテラスの自販機でどうぞ」とおっしゃってくださったので、は!っと思い出してコインを自販機に投入。忘れる所でした>< というわけで、登山もアートも楽しんだ所で帰路へ。もっと近くに住んでいたら登山も頻繁に来れるのですが…高尾山も遠かった…。また暑すぎず寒すぎずな時期に来たいと思います。…その前に、筑波山にも行ってみたくなりまして、現在色々と検討中。筑波山のある茨城は、実は父方の田舎がありまして…でも、山とかは登った事がなかったので、いずれそのうちにと思っています。あと、筑波実験植物園、つくばエキスポセンターなどもあるので、そこも行ってみたいです。行きたいところは一杯あるのですが、今、時間はありますが、今後のことを考えるとあまり贅沢なお金の使い方が出来ないので…あちこち出掛けられないのが残念です。でも入梅前に筑波山は行ってみたいなぁ。どうしようかな~。そんな事を考える今日この頃です。

◆関連リンク◆
・高尾山公式HP→ http://www.takaotozan.co.jp/
・高尾山薬王院公式HP→ http://www.takaosan.or.jp/index.html
・高尾山トリックアート美術館公式サイト→ http://www.trickart.jp/
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ベルサイユのばら展 [展覧会/講演会他]

生きてます、美鈴です。体調不良がまだ続いていて出かけるのにも一苦労なのですが、その日は通院日でもありましたので病院に行く前にベルばら展に行く事にしました。結構長期でやっているのかなと思って油断していたら、そうでもなくてw 9月24日まででしたので、21日に慌てて行ってまいった次第です。

さて、展覧会の方ですが、盛況でした!平日だった事もあり思っていたほど混んではいなかったのですが、それでも「わー人気は本当に根強いんだなぁ」と思う程の人出。展覧会は簡単に分けると4つの部門に分かれていて、最初は実際に原作者である池田さんが描かれた原画の展示、次に宝塚の衣装などの展示、その次にアニメ関連、その次にベルばらキッズなどの展示でした。一番広くスペースを取られていたのはやはり原画ブース。当時トーンなどはほとんどなかったと思われるので、服の柄、カケアミ、なわ等の効果はほとんど手描きでした。それであの黒い原稿というのは凄いことです。いかに描きこまれていることか…思わず圧倒されてしまいました。たまにトーンも使われていますが、本当に稀で。

私は池田さんほど漫画暦が古いわけではないので、学生の頃にはすでにトーンはありました。でも一枚800円とかそんな時代で、当時のお小遣いではもちろん買えませんでした。なので、漫画など見よう見まねでカケアミやなわ等の効果は手で描いていました。何だかそんな学生時代を思い出して、原画をみながら胸が熱くなったりしておりました。そして原画を見ていると、ああ、こういうシーンあったなーと色々と思い出されて、それでもまた胸が熱くなるわけです。

話は若干それますが、私が持っているコミックスは、実は大事な部分がありません。どこのシーンがないか、お好きな方はお分かりになりますよねw
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幼い頃に大好きすぎて大好きすぎていつでも手元において置けるようにと切り取ってしまいまして…それがまた、ずっときちんととってあれば良かったのですが、なんせ子供だったもので…なくしてそのままになってしまったんですよね。そんなわけで、切り取られたシーンは子供の時に見たのを最後に実は今までずっと見れていませんでした。でも、沢山の原画を拝見して感動して、思わずオスカル様のドレスシーンの掲載されているコミックスを購入してしまいました!あと、色々とポストカードなども♪
berubara.jpg実は最近、小さい方の愛蔵版を購入しようかどうか悩んでいたのです。どうしようかなーと思っていたときにベルばら展のことを知りまして、グッズ売り場などにも絶対売りに出ていると考え現地で購入しようと思っていました。でもそこで、少し大きめのコミックスがでているのを発見しまして、4巻だけ購入!大きいし、1200円位するので他の巻はアマゾンなどで少しづつ揃えていこうかなと思いました。4巻も現地で買うのを実は悩んだのですよね。右腕を壊しているので少しでも荷物が重たくなると負担がかかるし、病院にも展覧会のあとに行くしで。しかし!やっぱりオスカル様のドレス姿は凄くみたかったのです。ずっとずっと見たかったので、我慢できませんでした。

そんなこんなで、4巻とお気に入りの絵柄のポストカードを購入して展覧会をあとにしました。実はあの大き目のコミックスを全部揃えるのも憧れなのですが、アニメのDVDが実は凄く欲しくてー!!後ろ髪ひかれながらも病院へ向かった感じです。

そうそう、展覧会で少しだけアニメのベルばらも見れました。ダイジェストっぽいので本当に少しなのですが、懐かしかったです♪ 本当に好きで良く見てましたから。また見たいです。宝塚のコーナーでは実際に使われた?衣装が飾られていました!凄いキラキラしていて舞台衣装って美しいなと思いました。ベルばらキッズの所は凄い人でしたが、空いている所から見て行きました。可愛かったです。

というわけで、とても軽い感じのレポになってしまいましたが、見にいけて本当に良かったです!東京のあとは福岡に行くようですが、お近くの方でご興味ある方は見に行かれてはいかがでしょうか♪ なんと言うか、原画の持つエネルギーは凄いです。こういう風にアナログで描かれた原稿を拝見すると、やっぱりアナログっていいなと思うのです。この世に一枚しかない、その存在感というか何と言うか。こういうエネルギーは、デジタルだと伝わりにくい気がするのですよね。アナログ作品を目の当たりにするたびに「アナログで描きたい!」ってなります。とはいえ、モノクロ漫画のお仕事に関しては今でも実はアナログだったりする私でした。モンハンアンソロジー(カプコン刊)なども全部アナログです。筆記用具はGペン。丸ペンは紙を引っ掛けてしまうので使えません>< Gペンで細い線などを描くのは大変なのですが頑張ってますw ですが、カラーはもうアナログに戻るのは厳しそうですね。デジタルはやっぱり便利なのです。お仕事で絵を描いているとメーカーチェックで修正なども入りますから、アナログは厳しい感じ。というか、デジタルの普及で増えたような気がするのですよね、修正。簡単になおせるイメージがあるからでしょうか。簡単になおせるというのは大きな間違いなのですけれどね(アナログよりは確かに楽ではありますが)。

そんなわけで、どうでもいいことも呟いてしまいましたが、ベルばら展、楽しかったです!やっぱりオスカル様は憧れです。美しいだけではなくて優しくて凛々しくて。展覧会に行って、何か久し振りに熱くなりました。お金を貯めて、いつかアニメのDVDも買おうと思います。

◆関連サイト
ベルサイユのばら展・公式サイト→ http://www.asahi.com/event/berubara40/
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ツタンカーメン展2012・東京 [展覧会/講演会他]

お久し振り?です、美鈴です。19日にようやく今月〆の仕事が全て終りまして、今週から来月〆の仕事に取り掛かっている感じです。今月中は少し休み的なものを入れたかった事もあり、仕事の量は少しセーブした感じになっておりますが、結局断れない私は出来る限りの仕事を入れてしまうのでした。なのでお休みできたのは2日ほど。それでもずっと働きづめでしたので、鍼灸に行ったり出来たのは良かったです。

さて、ようやく!ようやく!ようやく!!!待ちに待っていたツタンカーメン展に8月21日に行ってまいりました!
tickt.jpg写真が何を物語るかお分かりいただけるでしょうか…。分かってくださった方はそっと心の中で同情してやってくださいT▽T ちなみに解説をすると、ツタンカーメンのカラー写真の入っている前売りは東京展のもチケットで8月21日に展覧会に行って半券を切ってもらったもの、もう一枚は大阪展のものです…半券が残っています…orz 東京展のチケットはようやく半券を切って頂いて見て参りました。会いたかったよ王様(ファラオ)!(←ツタンカーメンのミイラは来てないですが)。


というわけで、やっとの思いで行ってまいりましたツタンカーメン展。ちょっとした豆知識を交えながらレポートなどを書いていこうと思います。ちなみに、行けた感動のあまりに撮影した上野の森美術館の壁の展覧会の看板です↓
kanban.jpg

さて、ツタンカーメン。名前は皆さんご存知ですよね。古代エジプトにおいて、恐らく一番有名なファラオ(王様)です。でも、有名ですが若い時に亡くなっているので、凄い政策などをやったかといえばそんな時間的余裕もないまま病気で他界してしまいました。暗殺説も昔はささやかれていましたが、最近?の調査では「遺伝性の血液疾患「鎌状赤血球症(SCD)」で死亡した可能性」が高いそうです。関連記事。また、日本では非常になじみのあるこの「ツタンカーメン」という名前も実は誤って?広まった名前で、正しくは「トゥトアンクアメン」(Tutankhamun)です。トゥトアンクアメンと記されたヒエログリフは下の図のようになっています。(クリックで拡大画像)。下の図に書き込んであります説明などは、今まで読んだ本やヒエログリフ講座で学んだ事などを思い出して書いているものです。基本的に素人なので、もし間違っていたらスミマセン。

TUThiero.jpg

ヒエログリフは動物などが向いている方向から尻尾に向かって読んでいきます。上図の場合は向かって左上から下に向かって読みます。このことを踏まえて、上記の読みを参考に全てのヒエログリフを読んでいくと「アメントゥトアンクヘカイウヌウシェマウ」となりますが、神様の関連の文字は必ず一番最初に表記するというお約束がありますので、この場合はアメンの文字が一番最初に書かれています。ですので、この場合の読みは表記では一番最初に書かれていたアメン神はあとにまわして「トゥトアンクアメン」(ツタンカーメン)と読みます。またファラオの名前にはきちんと意味があり、ツタンカーメンの場合は直訳すると「アメン神の生ける似姿」となり、そのあとの「ヘカイウヌゥシェマウ」は「上エジプトのヘリオポリス(テーベ)の支配者」の意味となっています。ちなみに古代エジプトのファラオは、大体皆さん5つほど名前を持っています。ツタンカーメン(トゥトアンクアメン)という名前はそのうちの一つで「誕生名」であり、もう一つ、グッズなどでよく見かけるこちらの名前↓、ネブケペルゥラーは「即位名」となっています。

TUTneb.jpgそういえば、書き忘れていましたが…トゥトアンクアメン、ネブケペルゥラーのこれらのヒエログリフを囲っている共通の図称がありますよね(縦に長い楕円形の下に横直線)。これはカルトゥーシュ(小銃の実包を意味するフランス語:英語のカートリッジにあたる)と言いまして、ファラオの名前は必ずこれの中に書くという決まりごとがあります。カルトゥーシュの中に王名ありと覚えておくといいかもしれません。さて、この図のネブケペルゥラーですが、ちょっとだけヒエログリフについてご説明しますと、一番上の●は「ラー」(太陽神、神様関係のヒエログリフなので一番最初に表記)、真ん中あたりの虫は「ケペル」でスカラベ(フンコロガシ)を表し、顕現の意味があります。その下の3本線は複数形をあらわすヒエログリフ。一番下の半円は「ネブ」、この場合は「主(あるじ)」の意味だったかと思います。全部訳すと「ラー神は顕現の主」となります。このネブケペルゥラーのヒエログリフは、実は良く見るとツタンカーメンのゴージャスな胸飾りにしっかりそのまま使われていたりしています。今回のツタンカーメン展でも見れるはずです(*^v^*)。探してみてくださいね。というか、展示品の名前が「まんま」なのですぐに分かると思いますがw

さて、随分と前置きが長くなりましたが、展覧会の話に戻そうと思います。

大阪展は前売りを買ったにもかかわらずいけませんでしたので、どの様な展示をしていたのかは分かりませんが、東京展は、入場するとすぐに簡単に展覧会(古代エジプトやツタンカーメンの事)の説明が聞ける映像ルームがありました。結構人数は入れます。そこに入ってまずは映像を見ます。そこで一通り映像を見たあと、最初にお出迎えしてくれるのはツタンカーメン立像です。この立像は映像を見終わったあとですと激混みするところなのですが、次のグループが入ってくる直前は目の前で見れる可能性もありますので、ゆっくりは見れませんが全体像が見たいという方はタイミングを見計らっていくといいかもしれません。

会場内、夏休みという事もあり思っていたほどではなかったのですが人は非常に多かったです(会場に8時半に到着しましたがすでに長蛇の列でしたし、当日券を買うのにも別の列を作っているようでした。人が多いときは整理券を配っているようですので、朝並ぶのが嫌と言う方は整理券を利用するのも手かもしれません。整理券で入っていないので使い勝手はどうなのかは分かりませんが)。展覧会スタッフさんが「この展覧会では順路や列は設けていませんので、空いてる所からご覧下さい」と言っておりますが、逆走(走ってなくても歩いててもダメですw)は出来ないようですのでご注意を(私は注意されました…空いている所から適当に見ていたので前に戻ることが出来ずに涙目)。加えて再入場もできませんので、ある程度は順路に従ってきちんと見ていった方があとで悲しい思いをせずにすむと思います。また携帯電話は会場内では使用禁止です。待ち合わせなどは外でした方がいいようです。それから、公式グッズ、図録などが買えるミュージアムショップは展覧会を見なくても買える所にありますので(展覧会場外)空いている時間を見計らって買いに行くといいと思います。ちなみに8時半頃、私が列に並んでいた時はお店は凄い空いていました!みなさん展覧会を見るために会場に入るのに一生懸命なので、ほとんど人がいません。グッズをゆっくり見るなら開場前ですかね。ギフトショップ(ミュージアムショップの近くにあります)も同じです。ちなみに私はこんなのを買いました!
goods.jpg

上の向かって左側からクリアファイル2枚、ピラミッド型の金色の箱にはクランチチョコが、四角い金色の箱にはトゥトアンクアメン、ネブケペルゥラーなどの王名がプリントされたクッキーが入っています。箱が欲しくて買いました。個人的にクランチチョコがお勧めですw 美味しかった!あとは図録ですね。ここまではミュージアムショップで購入。図録の隣のアヌビス神のボールペンはギフトショップで買いました。ボールペンだけど1200円…お値段に吃驚w また、そのほかに↓も購入。
foods.jpg

ツタンカーメン麺と少年王のクッキー。ラーメンの方はギフトショップ、クッキーは上野駅にある「アンデルセン」と言うパン屋さんで購入しています。本当はアンデルセンで販売されているという「エジプト少年王のマスク」と言うツタンカーメンのマスクをかたどったチョコクリームパンが欲しかったのですが、私が行った時は売り切れていてなかったのでした。いずれ買いに行きたいです!ちなみに、少年王のクッキーですが一辺約15.5cmとなっております。大きいですw

話が前後してしまい恐縮ですが、展示品のお話しに戻します。

今回の展示品の見所、「基本的には」ツタンカーメン展の公式サイトのトップページの写真でも紹介されていますツタンカーメンの棺形カノポス容器でしょうか。ただ、この展示品、作りは見事なのですが思っていたよりも結構小さい。このカノポス容器を見ていると、ツタンカーメンの人型棺の一個でもきていたらよかったのになーとは思いました。だって、小さなお子さんがチュウヤの人型棺見て、ツタンカーメン言っているの見ていると心が痛み…ませんか…?

さて、全体的に展示品を見る方々の波などを見ていると、ぱっと見、チュウヤの人型棺にお客さんが多いのかな?と思いました。棺は私が思っていたよりも大きいと感じましたが、どうなんでしょう。チュウヤの人型棺のあるフロアは壁面が黒で統一されていて、黄金がより引き立つ感じで凄く雰囲気がよかったです。黒い壁面には地図なども白で書かれていて個人的には好きな内装でした。あと同じブース内にある「チュウヤのカルトナージュ・マスク」、個人的に推しておきたい展示品の一つです。何か凄く可愛いんですよ。ミイラに被せるマスクって結構無表情じゃないですか。このマスクはいい笑顔をしているのです。これは図録の写真の光源の問題なのかは分からないのですが、うっすらと頬に紅がさしているように見えて可愛らしい。個人的にゆっくり見ていただきたい展示品です。チュウヤ関連の展示は、展覧会会場の真ん中あたりに展示されている感じ。このフロアを抜けると、ひっそりと喫茶店があったりお手洗いもあります。喫茶店にはハイビスカスティーなども置いてあって、少しゆっくり出来ますよ。ちょっと疲れたら立ち寄ってみるのもいいかもしれませんね。

ちなみに、展覧会会場内を大雑把にジャンルわけすると、チュウヤの人型棺の展示フロアより前のフロアはツタンカーメン以外のファラオなどの展示物が多く、チュウヤのフロア以降にツタンカーメンのものが置いてある感じです。

ツタンカーメン以外の副葬品などの展示フロアでのお気に入りは、アメンヘテプ2世の船の模型。なんと言うか、色が美しいと言うか、かっこいいというか。船の模型には絵がたくさん描かれていて、色が綺麗に残っています。紀元前のものとは思えないこの色の残り具合が素晴らしいと感じました。顔料って何を使っているのでょう…気になります。黄金のキラキラももちろん好きなのですが、今回自分でも以外だったのは木製の展示品の素朴さが引き立っていると言うか、とても美しいと感じたことです。レシの彫像なども非常に良かったですね。それから、木と黄金の見事なコラボが美しい「サトアメン王女の椅子」。ツタンカーメンのような派手さはないですが、素敵だなぁと感じました。もっとゆっくり見れたら良かった…人多すぎ…。10月くらいにリベンジしたいです。

今回何が凄いって、全部本物だと言うことと、書籍などで見かけるものも数多く展示されていたことでしょうか。アメンヘテプ3世とティイ王妃の銘入りチェストなどは見た瞬間声を上げそうになりました。凄いです…ガラス越しとはいえこんなに近くで見れるなんて。きっと心の中の声を全部外に出していたら「うわーうわー」とうるさかったに違いありません。

その他、これはと思ったのが「アクエンアテン王の巨像の頭部」です。いや、これは本当に吃驚しました。写真では見た事がありますが、まさか来ていると思わなくて(公式サイトの展示品のページは、まっさら状態で楽しみたいと思い、実はほとんどチェックしていません)。見かけた瞬間、思わず何故か爆笑しそうになってしまいました。王様の像に対してなんて失礼なんでしょうか、私は。ちなみにこのフロアには、壁にアテン神(太陽のように丸い円盤から手が一杯出ている神様)のシルエットが照射されていて、その下にベンチがあって休むことが出来ます。神様の手が一杯伸びている下に座ると「アテン神を礼拝するアクエンアテン王一家のレリーフ」のアクエンアテン王のポーズを真似したくなりますw。恥ずかしいのでやりませんでしたが、何かご加護があればいいなと思いますw

さて、ベンチのすぐ先にはチュウヤのフロアがあり、その先はお待ちかねのツタンカーメンのフロアとなります。黄金のマスクや人型棺など大きなものはほとんど来ておりませんが、それでも、書籍などでよく写真が載っているものなどは来ていました。私、今回の展覧会で「ダチョウ狩りの装飾つき扇」の柄の部分が長いことを初めて知りました。柄の部分にはヒエログリフがびっしり書き込まれていて、本当に見事で!持っている書籍ですと、黄金の扇の部分しか掲載されていなくてですね、こんなに長い柄がついていたのかと感動しました。あと個人的に嬉しくて悲鳴を上げそうになったのは「カルトゥーシュ形の箱」。これ、蓋のデザインが大好きで!ツタンカーメンの誕生名である「トゥトアンクアメン」のヒエログリフが浮き彫りにされているものなのですが、色やデザインが好きでずっと本物を見てみたいなと思っていました。それが目の前に!!これだけでも来てよかったなぁと思えるほどでした。あと「高脚つきチェスト」もお洒落ですね。

そして「ツタンカーメンの肘掛け椅子と足台」がね、凄く良いのです!黄金キラキラは一部分しかありませんが、シンプルな中にも細工の素晴らしさと茶色と白のコントラストが美しい一品。そして何より小さくて可愛い!ツタンカーメンが子供の時に使っていた椅子のようです。小さなツタンカーメンがちょこんと座っていたのかなと言う妄想だけで、一人盛り上がっていました。痛い人でスミマセン。でも、こういう椅子など生活に使われていたものをみると、何となくその時代の人たちの生活が見えてきそうで…それが少し嬉しいような感じです。展示品一つ一つにそういうメッセージと言うものがあって、その中の一つでも多くのメッセージを受け取れたらいいなとは思いました。ツタンカーメンは病弱だったと聞いていますので…この椅子に座ってどんなことを思っていたのか…今となってはわかりませんが、なにかこう…考えずにはいられないのでした。

あとは…「ツタンカーメンの黄金の儀式用短剣と鞘」や「象嵌細工黄金の襟飾りとおもり」「ツタンカーメンの半身像」は本物が見れてご満悦でした!儀式用短剣は、鞘の部分が裏表デザインが違っていたりして凝った作りになっていました。半身像はまだあどけなさが残る感じで、見ていると少し切なくなる感じでしょうか。若くして亡くなっているので、これ以上の年齢の物は作られることはなかったでしょうしね。それから、ツタンカーメンのシャブティの、木製のものが凄く素敵でした。金色の文字で死者の書の呪文が描かれているようです。もう一度ゆっくり見たい展示品の一つです。ツタンカーメンのフロアには本で見たことがあるものが本当に多くて、どれもこれも感動してしまいます。こういうのを目の当たりにしてしまうと、やっぱりエジプトの博物館に黄金のマスクを見に行きたいなぁと思うのでした。

色々な思いに浸りながら、展示物に感動しながら見ていたのですが、あっという間に出口です。再入場は出来ませんので、これにて観覧終了。出口を出てギフトショップやミュージアムショップに行って買い物をしたらお昼くらいになっていました。近くにパスタなどが食べられるお店がありましたので、そこで軽く昼食。や、外食は基本的に私にとっては凄く量が多いので軽くはないのですけどね>< その飲食店のレジの付近に、実はアマゾンでチェックしていたツタンカーメンの絵?が飾ってあってですね。実物を見て納得しないと買わない人なのでずっと買っていなかったのですが、いい感じでしたので家に帰ってから思いきってアマゾンの購入ボタンを押してしまいましたw 私にとっては大きな買い物でしたが、まぁいいかな。ちなみに購入したのはこれです↓。
pict.jpg

この商品、実は絵?柄3種類くらいありまして、昼食を食べたお店に飾ってあったのはこれではありませんでした。マスクメインのものだったかと。でも、私はずっとこれが欲しかったので…。ツタンカーメンは好きなのですが、実はフィギュアやパピルスなどは一個も持っていないのです。黄金のマスクを見てしまうと、どうしてもその…フィギュアなどの顔の作りが気になると言うか、(本物のマスクの)あの顔じゃなきゃいや!!と言う人なので、書籍以外は壊滅的に持っていないのですが、これでようやく、壁に飾れるものが手に入りました!部屋の模様替えをしたら飾ろうかと思っています。

このあと、ツイッターで教えていただいた上野のヤマシロヤさんというおもちゃ屋さんの店頭ディスプレイ(ツタンカーメン・古代エジプト特集!)を見に行ったり、少年王のパンを食べてみたくて上野駅のアンデルセンと言うパン屋さんに行ったりしました。パンは売り切れのため食べられませんでしたが、しかし暑い中、よく歩きましたー>< ちなみに今、そのアンデルセンで頂いてきた「atre ueno」のリーフレット?に、ツタンカーメン展の半券で色々なサービスが受けられることを知りました…。今頃…気づくの遅いです、自分T▽T お食事料金10%オフとか、商品お買い上げの方対象にバラ一本プレゼントとかー!!今度リベンジに行く時にサービス受けてこよう、そうしよう。この日は17時から鍼灸院に予約を入れていたので、ゆっくりお店とか見れなかったのですよね、何より知らなかったし。こういうのは貰った時にきちんと見ておかないと…と思いました。しかし、今よくよく見たら、アトレ上野の中にカルディコーヒーファームがあったという事実。知らなかった…。最近ドリップコーヒーにはまっているので、今飲んでいるものではない種類のコーヒーの粉(notインスタント)が欲しいと思っていたのです。あとドライマンゴーが美味しいので買いおきもしたかった…知っていればー!!とりあえず、次に行く時は「エジプト限定メニュー」のあるお店でスイーツなどを食べたいです。個人的にチェックしたのは「ロワゾー・ド・リヨン」というお店の数量限定「サハラ」というチョコレートケーキ。でも3000円って…これもしかして大きいのでしょうかw 見た目的にも可愛らしいしピラミッドが飾ってあるので分かりやすいしいいなーと思っているのですが…家で母と一緒に食べても食べきれるものなのかどうかが問題ですw

というわけで、長々と書きましたがこの辺で。後戻りが出来なかったのであまりよく見ていない展示品などもあるのでリベンジする予定なのですが、もし本当に2回目にいったらもう少し違った所を見てレポートできたらいいなと思っています。誰もそんなレポート期待しないと思いますが(笑)ツタンカーメン展の内装のデザインのお話とかw 壁のボーダーとかも結構頑張って作ってあったので、もうちょっときちんと見て来れたらなーと思っています。

そうそう、リベンジで思い出したのですが、これから行くという方にちょっとお得な情報を。ご存知の方も多いかもしれませんが、実は10月1日以降から使用できる前売り券というのがでています(詳細は↓、関連リンクに記載)。3000円は高い!という方、少しでも安く見たい方などにちょっとお勧めです。…まぁ劇的に安いわけではないですが、私はこの前売りで10月1日以降にもう一度行けたらなーと考えています。では!

◆関連リンク
・ツタンカーメン展公式サイト→ http://kingtut.jp/
・ツタンカーメン展東京公式ツイッター→ https://twitter.com/kingtut_tokyo
 (↑混雑状況、整理券配布状況などが分かります)
・ツタンカーメン展前売り券(e+)→ http://eplus.jp/sys/T1U14P0010222P006001P002069410P0030007
 (休日、平日で料金が違いますのでご注意下さい。またこのチケットは10月1日~使用可能です)
・アトレ上野→ http://www.atre.co.jp/shiten/index.php?scd=7
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大英博物館 古代エジプト展 [展覧会/講演会他]

大分暑くなってきましたね>< こう暑いと集中力は低下する一方ですが、これからまた8月中旬に向けて物凄く忙しくなるので気合いれてまいりたいと思います。

そんな暑さの最中(さなか)ですが、画材を購入したり美容院に行く予定もありましたので、1日時間をあけて色々と全部やってしまおうと思いまして!母から頼まれていた絵の具や自分の仕事用のスクリーントーンを購入したり、髪を切ったり。それで時間があれば、「大英博物館古代エジプト展」に寄ってこようと画策しました。金曜日は博物館や美術館が夜までやっているところもあったりして助かります…が、大英博物館展をやっている「森アーツセンターギャラリー」はいつも22時までやっているのですね。金曜日でなくても良かったかなーと思ったのですが、今日(7月13日)を逃すと時間が取れないかもしれませんので思い切って足を伸ばすことにしました。ちなみに余談ですが、こちらの森アーツセンターギャラリー、こんなに遅くまでやっているにも関わらず金曜の夜はナイトギャラリーをやっていたりします。詳細は公式サイトでご確認下さるとお分かりいただけるかと思いますが、本当に夜遅くまでお疲れ様です…と思いました。私は田舎住まいですので終電の関係もあってナイトギャラリーは参加できないのですが、ミイラもありますので涼しい夏の夜が過ごせるのではないかと思いますw 混雑状況ですが、私は18時くらいに会場に到着しましたが、結構ゆっくり見れました。ただ、場所柄なのか夜はカップルが多そうで、しかも結構この方達はしゃべるので話し声が気になる方にはあまりお勧めできないかも?とりあえず、美術館でのマナーとして静かに見て頂きたいなぁというのが今回の率直な感想です。最近うるさい人が多いのがちょっと悲しいT-T

さて、大英博物館古代エジプト展ですが!
irgt.jpg実は私、6月から「ヒエログリフ(古代エジプトの文字)講座」なるものを受けておりまして、本当にチョビッとではありますがヒエログリフが読めるようになりつつあります。まぁ、本当にまだまだ雀の涙ほどですがw ヒエログリフは以前から興味はあって関連書籍などは何冊か購入しているのですが、なかなかどうして、語学を独学でやれる頭もないものですから一箇所つまづくとそのまま放置せざるをえない状態でした。それでも地道に色々とやってはいたものの、仕事が忙しくなってしまうとなかなかそちらまで手が回らず。そんなところに講座の案内がメルマガできまして、これは!と思い受講するに至りました。ちなみに全5回、現在3回目の受講が終わった所です。

今回の大英博物館展は、何が凄いって37メートルもあるパピルスが来ているのです。もちろんパピルスにはヒエログリフや絵が描かれています。そこで思ったわけです、3回目の講義が終了した段階でどこまで認識できるものなのか…と。まぁ、一つの語学を習得するのに一回1時間半で三回受けただけですから、そんなにすらすら全部読めるわけはないのですが、明らかに以前とは違う見方をするのではないかなと思いまして。それもあって今見てみたいと思った次第です。結論から言えば、読めるわけがないw ただ、37メートルのパピルスではないのですが、部分的には理解できる単語などもあって以前よりは物凄く面白く感じました!「あ、ここにもしかして名前が書いてあるのではないか(ただし文字リストがないと読めないレベル)」とか、「あ、この単語は神殿、これは神官だ」とか。展覧会などで見ることが出来るヒエログリフの文章には決まり文句みたいなものがあって、それも少しだけですが見つけられました。3回の講義で凄い進歩なのでは!と私は思っています。自画自賛。

gfhiero.jpgちなみに、37メートルあるグリーンフィールド・パピルスですが、一つ、とても目立つ所に頻繁に書かれているヒエログリフがありました(画像。たまに違う表記もあるのですが、多分この表記が一番多そう?)。見に行った時は文字のリストがなかったので読めなかったのですが(あっても分からない所も多数ですがw)ちょっと見ていたら、これ、もしかしたら名前なのではないかと思いまして…未熟なりに調べてみました。これから見に行く方のちょっとでもお役に立てれば幸いです。読めてませんがw すみません。ちなみにこのパピルスの持ち主である女性の名前はネシタネベトイシェルウ(画像内のキャプションでイシャルウになっていますが、イシェルウが正しいです。お詫びして訂正いたします)。イシェルウの当たり何となく読めませんか?「シュ」と仮名をふっていますが、これ、前後する文字によって若干読み方が変わるのでシェになるのかなと。ただ、名前の中の文字もいくつか分からないので明確な答えは今の私では出せませんでした。5回の講義が終る頃には読めるようになっているといいなと思います…。

37メートルのパピルス以外にも色々なパピルスが来ています。どういう理由なのかは分からないのですが(痛みが激しいもの?痛みやすいもの?)複製も結構入っているようです。レプリカか本物かは展示の額が違うのですぐに分かると思いますが(パッと目にも本物のパピルスではないことは分かりますけどw)それでも、そこが抜けてしまうと続きものの場合は困るのでレプリカ展示でも助かります。ヒエログリフを読むのに支障はありませんしね。とにかく、今回は文字などを見たい方にはお勧めの展覧会です。パピルスものが多いですので!逆に言うと立体物、華やかなものの展示は少ないです。そういうのをお求めの方は8月からのツタンカーメン展がお勧めでしょうか。凄く混みそうですが(苦笑)。

一般的にヒエログリフには3種類あるといわれていまして、ヒエログリフ、ヒエラティック、デモティックに分類されているようです。ツタンカーメンなどファラオの関わる遺物に描かれていたり彫られていたりする文字はヒエログリフ(神聖文字)になります。ですが、大英博物館展で展示されているパピルスは主に神官のものが多いらしく(多分)、文字は少しヒエログリフを崩した感じのヒエラティック(神官文字)が主のようです。私の知識ですと、このヒエログリフとヒエラティックの境目がどこなのかいまいち良くわからないのですが、恐らく37メートルのパピルスに書かれているのはヒエラティックではないかなと推測いたします。っていうか、図録にヒエラティックと明記されていましたので推測に間違いはないようですw きちんと書かれたヒエログリフも満足に解読できない状態ですので、37メートルのパピルスの死者の書などは読めるはずもなくw ただ、ヒエラティックで箇条書きにされている「42か条の罪の否定告白」の部分はいつか読めるようになりたいですね。ここの部分は図録に訳がきちんと載っているので答えあわせが出来ますから。ヒエラティックなのが難解ですけれどね…orz

ちょっと文字について色々と書きましたが、正直文字が読めなくても絵を見るだけでも楽しめます。古代の人って絵が上手かったんだなぁと壁画などを見ていつも感心するのですが、パピルスに書かれたものも素晴らしい出来ばえです。37メートルのパピルスは、なんというか、文字がメインの漫画のような感じ。主人公であるネシタベネトイシェルウの冥界の旅の様子が描かれています。展示品にそえられている解説を読んでいくと、ヒエログリフが読めなくても楽しめます。私も含めて、読めない人の方が圧倒的に多いと思いますのでw解説はとても有り難いです。それにしても37メートルもの超大作、どれくらいの期間で描き上げたものなのでしょう??絵描きとしては気になります。というか、パピルスに描かれたものを見ているとなんだか懐かしい気持ちになります。アナログ作業は大変ですが、昔はデジタルはなかったのでコピーペーストなどもないわけですから、文字にしろ絵にしろこれだけの量をよく描いたなぁと感心せずにはいられません。先人は偉大です。

パピルス以外にも色彩の美しい棺などもありました。本当に色が綺麗に残っています。また、金箔が施された容器の模型にはラムセス2世の名前(ウセル-マァト-ラー-セテプ-エン-ラー)も見受けられました。こういうちょっとした所でも分かると私は嬉しい♪ それから、実は以前、古代エジプトの食玩?でオシリス神像を手に入れたのですが、それの本物が来ていてビックリしました。思っていたよりも大きくて感動!食玩の出来も良かったんだなぁとどうでもいいところでまた感心。個人的には今回の展覧会で素敵だなと感じたのは「動物の風刺パピルス」。これが結構コミカルで良いのです。動物がゲームをしていたりしてますので、ご興味ございましたらチェックしてみてくださいね♪ 一番印象に残るのではないかと思われます。

そんなわけで、ざっくりとではありますが第一回レポートはこれにて終了。実は時間があれば2回目も行ってみたいなと思っているのです(確約は出来ませんが)。今度はヒエログリフ講座5回全部終了した時点で行ってみたい。今回よりはヒエログリフが読めるのではないかと思っていまして、成長した自分が見れたらなぁとw 今は手元に図録もありますので予習も出来ますし、「ここに名前が」と思っていたのに読めなかったところも調べていけますしね。

そんなこんなで観覧終了しましたのでミュージアムショップへ。ツタンカーメン展に備えてお金をためるべく、今回の展覧会では図録以外は買うまいと思っていたのですが…いつの間にか手に一杯荷物持ってました>< とはいえ、他にも欲しい物があったのですがこれでも我慢はしたのですけどね。さすがに一万円越えてしまうと厳しいので諦めました。ロゼッタストーン関連のグッズはどれもセンスも良くて欲しいものばかりだったのですが、そっと棚に戻りしましたw しかし、どうしても我慢ならずに購入したのは以下の物です。
goods.jpg

bastt.jpg

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光の石と書かれている書籍は展覧会で購入したものではありません。展覧会から帰宅した時に丁度届いていたものです。バステト(猫)のブックエンド2個組みと図録、麻?で出来た手提げの3点を購入しました。。ブックエンドがね、高かったんですよね>< 重さも結構あるので持って帰ってくるのが大変でした。でも、買えてよかった!今まで見たことがなかったですし、丁度ブックエンドを探していた所でしたので購入できて嬉しかったです。ちなみに一番下の画像の中央辺りにいる緑のお顔のオシリス神の像が、上記しましたとおり本物が今回の展覧会で来ています。

では、この辺で!


■関連リンク
・大英博物館 古代エジプト展(2012年7月7日~9月17日)公式サイト
→ http://egypt2012.jp/
・ツタンカーメン展 (2012年8月4日~12月9日)
→ http://kingtut.jp/
・世界考古学発掘アカデミー講義 はじめのヒエログリフ Ⅰ
 (全5回 講師:河合望先生)申し込み終了しています。
http://www.akht-inc.com/jigyo/academy.html
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海外グループ展・ヒエログリフ講座 [展覧会/講演会他]

お久し振りです、美鈴です。グループ展の作品の印刷・発送も済み、仕事も今月〆のものはほぼ完了し、これから来月中旬〆切りに向かって作業を始めようかという今日この頃。6月からこの時期までは比較的緩やかなスケジュールだったはずなのですが、結局かなり最後のほうは修羅場っていたりと大変でした。でも、良い作品を納品したいので頑張っております。

さて、そのグループ展ですが、オーストラリアでの開催になります。ギャラリーのキュレーターさんよりお声掛けいただきまして、海外初の出展となります。というのは前に日記でもお知らせしましたが、今回のグループ展の趣旨と言うのが「デジタルと和の融合」という感じのもので、言ってしまえばアナログ作品はNGという事になります。ですので、必然的に印刷物を額装しての参加となるわけですが、これが最初、どうしたものか悩んだ原因でした。グループ展も一度物凄い昔に友人たちと一緒にやった事はあるものの、その時はアナログでしたので…そんなに悩む事はなかったのです。だって、そのまま作品を額に入れて飾ればいいのですから。でも、今回は違います。印刷しないといけません。まず売れるかどうか分からないので枚数は刷れないのですが、綺麗な印刷にしないといけないのかなと思いましたので、作品を描く前にまずは検索して皆さんどうされているのか調べました。それで、引っかかってきたのがジークレー印刷。とりあえず、色々とご相談させていただけそうな所を探しました。何せ額装も印刷も、そのほかにエディションなどの事も詳しく知りたかったので、そういうお話が出来そうなところを検索で探しました。そこで引っかかってきたのが今回お願いしました工房になります。

とにかく何も分からない状態でしたので凄く心配していたのですが、担当の方が本当に親身になって相談にのってくださったおかげで、いい物ができたと思います。印刷も、色の再現率が素晴らしくて!自分の作品を試しに自分のプリンターで出力した時にあまりの安っぽさに幻滅したのですが、工房で自分の作品のためし刷りを見せていただいて吃驚しました。紙は和紙にしていただいての試し刷りだったのですが、何と言うか、凄く雰囲気がよくなったというか、真っ白い紙ではないのと紙の繊維が見える紙だったのもあってとても綺麗な仕上がりになっていました。紙と印刷だけでこんなにも雰囲気が変わるとは思っていなくて、本当にただただ驚いてしまいました。ちなみに小さいですが印刷していただいた作品をスキャンしたものです。
guruputen.jpg

少し大きめのものは、後ほどグループ展の告知と共に掲載いたしますのでしばらくお待ち下さい。紙の繊維までは見えませんが、白い馬が何となく真っ白ではないのはお分かり頂けるでしょうか。今回の作品は、一点は以前描いたもののリメイク版、もう一点は葛飾北斎の「神奈川沖浪裏」をモチーフに馬と鎧をデザインしたものです。実はこの甲冑化は以前にもやっておりまして、その時は凄いギャグになってしまったので今回はスタイリッシュにと思いデザインをおこしなおしたのですがやっぱりギャグになりましたw 難しいですね。

話がそれましたが、そんなわけで印刷は本当に良い雰囲気で出来上がりましたので、今度は額装です。これもまた、自分ではよくわからない分野でして…展覧会などには良く行きますが、大体作品を主にみてしまうので額にまで気が回っていませんでした。それは凄く今回の額装で実感させられることになりました。どんな作品がどんな額におさめられていたかまでは思い出せなくて>< 参考にするも何もありませんでした。工房では額のサンプルも見せていただきましたが、額のほんの一部なので全体図が想像できないというか何というか。それでも担当の方が事細かにアドバイスしてくださったので、額装も無事に完了しました。ちなみに実際に額装されたものはまだ見ていません(工房の方が発送前に写真を撮ってくださって、それは拝見させていただきましたが)。そのままオーストラリアに送っていただいてしまったので>< その工房の凄いところは海外発送までしてくださる所です。これも未経験だったものですから、凄く助かりました。最初グループ展のお誘いにOKを出した時は本当に不安で一杯だったのですが、無事に発送まで出来てよかったです。色々と教えていただいたので次にまた何かあったときには慌てずに対応出来そうです。実はやってみたい事もいっぱいなのですよね。それはまたその時にご相談させていただいて、面白いものが出来たらいいなと思っています。

今回のグループ展もそうなのですが、初めてという事もあって売るというよりは見せる方を重要視して結構大きめに印刷していただきました(買った方が飾ることまでは正直考えていない大きさですw)。あと名前や画風などを一人でも多くの方に覚えていただきたい事もあって、綺麗…というよりは「何じゃこれはw」という方面を目指したつもりです。「何じゃこれはw」の「w」の部分が重要だと思っています。こういう要素がないと多分作品のイメージは頭に残りにくいのかなと思って。誰も描かない様な絵を描きたいというのが私のモットーでもありますので、今回はそれを表現できたらなと思いました。キャラクターに目がいくようにと、珍しく背景はシンプルにまとめて普段使わないような色を考えて使っております。良い感じに日本が表現できていたら幸せだなと思います。…ちょっと間違って解釈している気もしますが、気にしませんw

仕事の合間にグループ展作品を作り上げたわけですが、その他にも趣味でヒエログリフ講座というのを受けています。7月11日で3回目の受講となりました。全5回(一回の講義は1時間半くらい)。有料ですが、きちんとした先生の元で教えていただいている割には、この料金はリーズナブルなのではないかなと思っております。

講義の内容をブログに掲載する事はNGが出ておりますが、こういう事に参加しているよと言うのは若干大丈夫なようですのでちょっとだけ書きたいと思います。私、この講義の事はメールマガジンではじめて知ったので今年初めて受講しようと思いました。今年までに何度かやられているのでしょうか?その辺の詳しいことは知らないのですが、丁度昨年末くらいにヒエログリフの本を購入して勉強を始めたところでしたので、グッドタイミングで募集がかかりまして応募しました。独学でも大丈夫かなと思ったのですが、ヒエログリフの本は今まで何冊か購入したのですが、本を読んだだけではやっぱり分からないことが多かったのと、一箇所つまづいてしまうと個人だとなかなか前に進めなくなってしまうので困っていたというのもあるのです。それでも一番最後に購入したこの本↓

古代エジプトのヒエログリフ―初級実践ガイド

古代エジプトのヒエログリフ―初級実践ガイド

  • 作者: ジャニス カムリン
  • 出版社/メーカー: 文車書院
  • 発売日: 2011/03
  • メディア: 単行本


のおかげで、以前よりは前進は出来たのですが、そのあと仕事も忙しくなってしまいまして、そうするとなかなか独学では進めにくい。ちょっと覚えても仕事で翻弄されているうちに忘れてしまう事も多くて、実は少し諦めていたのです。でも、講座を受けることによって、集中的に色々と学んだり、宿題が出たりするので必要にかられて結構な時間ヒエログリフと向き合っているので、覚えるのは正直早いように思います(その分仕事が修羅場るわけですがw)。今3回目の講義を終えて、以前よりもヒエログリフの見方が変わった事は実感しています。基本の文字を覚えたら、その分は読めるようにはなりましたし。意味はまだ分からないですが、それでも王様の名前以外の人名の書いてあるところが分かり始めたとか、ちょっとした文字の意味も理解し始めているので、そこだけは何となく分かるとか、そういうレベルにはなってきています。先生曰く「5回の講座で簡単な碑文は読めるようにします」だそうなので、先生にとっては3回でここまでこれたというのは至極当たり前のことなのかもしれないのですが、私的にはとっては吃驚です。一人でやっていた時はこうはいかなかったですしね。基本の文字を覚えるのにも、ちょっと覚えては仕事して忘れての繰り返しでしたから…。

とはいえ、まだ基本の文字も完璧とまではいってなくて。何せ結構急展開の講義ですから、新しいことを覚えようとすると前のを忘れるのですw そうならないように宿題をするのですが、そこでも新しい事がヒエログリフで一杯書かれているので、わーってなります。あとこれから仕事がかなり詰まっているので両立が厳しいというのもあります。ちょうど講義の最終日が一番修羅場っている時なので…予習復習もそうなのですが講義じたいに参加できるのかも怪しい状態でT▽T。参加できるように今から仕事を頑張りたいと思います。ファイ!ツタンカーメン展(東京は8月から)、大英博物館展(こちらはもう始まってます)が控えているので、その展覧会を見に行く頃には簡単な碑文は読めるようになっているといいなと思います。や、今の感じだと読めそうな気もしていて!本で読むよりもライブで教えていただくことの凄さを実感しております。先生、凄いです!

そうそう、ヒエログリフ講座の講師をしていらっしゃる先生は河合望さんといいます。とても素敵なお声の先生です。早稲田大学の方。今度ご本を出されるようです。

ツタンカーメン 少年王の謎 (集英社新書)

ツタンカーメン 少年王の謎 (集英社新書)

  • 作者: 河合 望
  • 出版社/メーカー: 集英社
  • 発売日: 2012/07/13
  • メディア: 新書


凄い方に教わっていたんだなぁと改めて実感。この本はツタンカーメンのことが書かれているようですので、ツタンカーメンで古代エジプトにはまった私としては拝見したい所存です!予約しようと思っています。

というわけで、サイトの更新などもままならない状態ではありますが、生きております。なるべく早めにグループ展詳細と出展作品の更新をしたいと思っていますので、もう少々お待ち下さい。仕事の情報もあわせてアップしたいと思っています。拍手のお返事も近々。いつも拍手を有難うございます!では。

■関連リンク
・ジークレー専門版画工房 アムゼ
 → http://www.artgallery.co.jp/prints/
・世界考古学発掘アカデミー(はじめてのヒエログリフ I)
 → http://www.akht-inc.com/jigyo/academy.html
 (↑今回の募集は終了しています)
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ルドゥーテの「バラ図譜」展 [展覧会/講演会他]

ようやく仕事が一段落したと思いきや、そういえばグループ展の作品をまだ全然描いていなかったことに気がつき慌てふためいている美鈴です。そんな大事なことを放置したまま、13・14日と外出していました。13日はヒエログリフ講座を申し込んでいたので(有料です。でもしっかり先生が教えてくださる講座で全5回、その第一回目でした)受講するべく都内へ。しかし、その講座は18時半からですので、その講座を受ける前にせっかくなので早めに出て久しぶりに上野に行って、国立科学博物館のシアター360を見る事にしました。国立科学博物館はリピーターズパスを持っているので、常設展およびシアター360は有効期間内ならいつも無料で見れるのです。というわけで、シアター360へ。今月は「マントルと地球の変動–驚異の地球内部–」 & 「海の食物連鎖–太陽からクロマグロをつなぐエネルギーの流れ–」。恐竜関係は来月でした。また行きたいと思います!

シアター360は上映時間が短いですので、それを見終わったあとはその他の展覧会のチラシを貰いに国立西洋美術館へ行きました。西洋美術館は、そこで開催されている展覧会を見なくてもミュージアムショップへの出入りが自由なのです。時間があるといつも覗いて行くのですが、今回何故かふと「ルドゥーテ関連の書籍って出ているのかな?」と気になりまして、ショップの書籍コーナーへ行きました。ボタニカルアートの本はいくつかあったのですが、ルドゥーテonlyの作品を扱った本はザラッと見た感じでは見つけられず、まだ講座まで時間があるので大きな書店に行こうかなと思ったのでした。なんで急にルドゥーテの本が欲しくなったのかという理由はわからないのですが、以前から気にはなっている画家さんではありましたので…。思い立ったが吉日ではありませんが、早速本屋さんに移動しようとした時です。そういえば、すっかり忘れていましたが他の展覧会のチラシを貰うためにここに来たのでしたw 散らし置き場にいきチラシを見ていたその時です。…あったのですよ、ルドゥーテの展覧会のチラシが…しかもすぐ近くの上野の森美術館で開催中。ここに行けばルドゥーテの画集らしきものもおいてあるでしょうし、本屋さんに行かなくてもいいよねって事で展覧会に向かおうと思ったのですが、時すでに遅し。閉館5分前でしたので諦めました。日を改めて…と思ったのですが、何と会期は6月25日まで。急がないと終ってしまいます。とりあえず仕事が忙しくなる前に行こうと誓い、上野をあとにしました。

このあと携帯電話の修理を巡って色々とありまして、修理しても機種変しても結構な値段がかかることから、キャリアを変える事になりました。その手続きのために、実は14日も都内に出る事になりましたのでルドゥーテ展は携帯電話のキャリア換えの手続きの前による事にしました。

14日、展覧会会場にたどり着いたのは12時半くらい。チケットを購入したところ、13時から展覧会会場内でルドゥーテ展とのコラボでチェンバロの演奏があるということでご案内いただきました。演奏まで30分あるので、それまではルドゥーテの作品を見ていく事に。私、ルドゥーテに関しては「素晴らしい植物の絵を描く宮廷画家」ということしか知りませんで、展覧会などで展示されている作品は全て水彩か何かで描かれているものだと思っていました。色も美しいですし、描写も細かいですので。しかし…絵ではなく銅版画でした…!これ、版画?!版画というと個人的に葛飾北斎のあの浮世絵が頭をふとよぎるのですが、何となくそういうイメージで育ってきているせいもあってこのルドゥーテの展覧会の前節で銅版画と言う文字を見たときには体に電気が走りました…。衝撃でしたよ、本当に。近くで見ても「これは水彩画ですよ」と言われても全然疑う余地のないくらいの精密画。これが版画…信じられない!なんと言うか、いつも思うのですが、職人さんの腕の凄さには頭が下がりっぱなしです。

さて、銅版画と言うことで非常に驚きながらも順番に作品を見て行きました。途中で、一人の職人さんの手によるものではなく、作品ごとに彫り師さんが違うことに気がつきました。沢山のバラ作品、一点につきおそらく一人の彫り師さんがついているようで。微妙にタッチが違うことに気がついたのは、全作品数の半分くらい?を見たあとでした。ふと、葉の輪郭がくっきり描かれている作品が目に付くようになりまして。それで良く見たら、彫り師さんの名前が違っていたと言う。葉の輪郭線がくっきり縁取りされている作品にはシャピュイという名前が記されていました。正確に数えたわけではないのですが、恐らくバラ図譜には10人くらいの彫り師さんがそれぞれかかわっているような感じに見えました。個人的に好きな彫り師さんはラングロワ。線も色の濃淡もバランスが良くて好みです。葉の立体感や質感が伝わってきそうで。シャピュイは葉の輪郭線がはっきりしすぎているので、何となく立体感がそがれているように感じました。でも、シャピュイの作品は面白いことに図録などの印刷物で見るとあまり上気した感じがでていなくて、むしろ綺麗かもと思えるほどでした。作品を縮小して掲載した時に輪郭線がはっきりしている分、綺麗に見えるのがシャピュイかなと思いますが、どうでしょうか。いずれにせよ、どの彫り師さんも技術が凄いです。ルドゥーテの水彩画?を元に彫っていくのだと思いますが…点描で表現しているところなどもあって「凄い」と言う言葉しか出てきません。もっと表現力のある言葉で説明したいのですが、残念ながらそういった表現は私は苦手なようです。

今回の展覧会の作品を通して色々なバラを知る事になりましたが、その中でも「ロサ・ガリカ・アガタ・プロリフェラ」という品種に驚きました。花の中から葉がでていて、運がよければその葉にまた花がつくようです。なんかちょっとグロテスクな風に見えてしまうのは私だけでしょうか。でも、そんな種類のバラもあるのだなぁと初めて知って嬉しかったりしています。お気に入りは「ロサ・ガリカ・ウェルシコル」。バラなのですが、どことなく赤と白の斑の入った椿にも見えて、日本人な私は何だか親近感を覚えました。これは実際に咲いているのを見てみたいですねー。

この展覧会でバラの花を見ていると、時折ふと思うのですが、これとこれ、どこが違うのだろうかという事。構図が違うので違う品種にも見えるのですが、同じ角度で描いたら見分けがつかないのではなないだろうかというバラもあったりしました。でも良く見るとちょっと違う。ルドゥーテが宮廷画家として抱えられたのは、そういった少しの違いも描き分けられる腕前があったからなのかもしれないなと思ったりしました。でも描き分けも凄いですが、やはり絵(銅版画ですが)にしても花のみずみずしさが伝わってくるというのは素晴らしい事なのではないかなと思います。それから、バラを描くためにわざわざ切って目の前に置いて描いているんだなぁというのが伺えるのがとても面白いです。絵にした時のバランスを考えて剪定してあるのが見受けられるからです。実際目の前に置いて描いているのかどうかは私には分かりませんが、ただ色々なバラを精密に描き分けるだけではなくて、絵にした時のバランスまで考慮されて描かれているのに感動しました。絵描きとしてはジャンルが全然違いますが、姿勢は本当に見習わなければと思います。

というわけで、あれこれとみているうちにチェンバロのお時間がやってきました。ステージ付近に行くとチェンバロが置いてあったのですが、そのチェンバロの美しいこと。ピアノの近い形でしょうか。鍵盤は2段になっているのでエレクトーンの方が近い感じ?楽器そのものにルドゥーテの絵が描かれていて素敵でした。これ、演奏会が終って、チェンバロを作られた工房の方が来ていらしたのでお伺いしてみたのですが、ルドゥーテの花の絵は職人さんの手描きだそうです。凄い…。チェンバロの音は何に例えたらいい感じでしょうか。と悩んでみた挙句、出てきたのはディズニーランドのエレクトリカルパレードの時に流れる音楽の音…なのですがタイトルがわからず。何かこうピアノの音に金属の音が加わったような音…で何となく雰囲気が伝わるでしょうか…。パイプオルガンとはまたちょっと違う音。でも、多分音を聞くと「あ、聞いたことある」と思うと思います。なまで聞く機会はあまりないと思いますが、テレビなどではたまにそれらしい音流れていませんか?なんというか貴族などが栄えた時代の西洋の特集番組(ハプスブルグ、ベルサイユとかその辺)みたいなものにはたまに流れるかも??

チェンバロの演奏に話を戻しますが、今回の演奏はルドゥーテの生きた時代の音楽を演奏しているようでした。音楽関連は疎いので曲名などを聞いてもピンと来ない残念な私ですが、でも、その時代の雰囲気などは伝わってきたと思います。何よりも音と曲がマッチしてて素敵でした。私が行ったのは平日でしたが、休日の演奏会ですと、これに歌?がついたようです。聞きたかったですねー。

というわけで、演奏を楽しんでいましたがあっという間に終了してしまいましたので(15分くらいでした)ルドゥーテの残りの作品を見ていく事にしました。しかし凄いですよね、バラの絵だけで展覧会が出来てしまうほどの作品数…。バラ図譜だけで画集のようなものが3冊ほど出ていました。一冊14700円とお高かったので庶民の私には手が出ませんでしたが、その代わり、今回の展覧会の図録は購入してきました!展覧会で展示してあった作品がけっこう大きめに載っているのでとても見ごたえがありました。お値段もこれくらいだと購入できますので嬉しい限りです。下の画像が購入してきた図録など。
bara.jpg

今回チラシのデザインも凄く好みで、思わず何枚か頂いてきてしまいました。なんでしょう、ピンク色を使っているけど嫌じゃないというか、持っていても照れくさくないと言うか。こういうセンスも養いたいですね。そんなことを思いながら今日も図録をパラリとめくって「綺麗だなぁ」とため息をこぼしております。私、植物のあの柔らかさというかみずみずしさというかを描くのが非常に苦手ですので、ルドゥーテの作品は憧れてしまいます。これを模写したら、多少は描ける様になるものなのかしら…。

そんなこんなで、ルドゥーテのバラ図譜展のレポートでした。いつか14700円の画集のうちの一冊でも買いたいものです。それから、伊藤若冲の4万円の画集や、カイロ博物館の2万円ほどの書籍とか。しっかりした本が個人的には一冊欲しいのです。とりあえず、一番の目標はカイロ博物館の本でしょうか。

カイロ博物館 古代エジプトの秘宝

カイロ博物館 古代エジプトの秘宝

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: ニュートンプレス
  • 発売日: 2000/10
  • メディア: 単行本


いつか買おうと思っていますが、すでに新品を購入するのは難しいようなので迷っています。中古では痛んでいると思うので安くてもなぁと思いますし、綺麗なものにはプレミアがついているようで倍くらいの値段しますしね。レビューを読むとカイロでは5千円くらいで購入できる本らしいというのに笑いましたが。まぁ、いずれいい機会がありましたら購入しようと思います。さぁ、7月は大英博物館のエジプト展と8月にはツタンカーメン展が控えています。仕事頑張って時間とって見に行きたいと思います!

■関連リンク
ルドゥーテバラ図譜展→ http://www.eventsankei.jp/redoute_rose/
(この展覧会は6月25日で終了しております)
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